2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K11097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 慎一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (20155485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山次 俊介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40311021)
山田 孝禎 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (60413770) [Withdrawn]
青木 宏樹 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 講師 (90622564)
内田 雄 仁愛女子短期大学, その他部局等, 講師(移行) (00749418)
石川 多加子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (30422653)
長澤 吉則 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40299780)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重心動揺 / 疲労 / 健康状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,性格特性や血液型のように, 個人の重心動揺の変動パターン特性を分類し,体調不良や身体異常時,あるいは運動負荷後と体調良好時の動揺パターンを比較検討し,動揺パターンの変動を具体的・客観的に明らかにすることである。目的達成のために、4つの課題(研究課題1:重心動揺パターンの分類、研究課題2 性別、年齢別及び疾患有無 別重心動揺パターン、研究課題3 疲労時、 体調不良時及び姿勢変化時の重心動揺パターン、研究課題4 各種運動前後時の重心動揺パターン)を設定し、令和元年度(平成31年度)は、検討課題1および検討課題2に重点的に取り組んだ。昨年度に引き続き、幼児・児童107名、膝疼痛者78名分のデータを追加で取得した。加えて、取得した重心動揺データ(2018&2019)を統合し、算出された各種重心動揺変数(各動揺方向の軌跡長変数、動揺面積変数、動揺位置変数等)から9つの分布特性への分類を実施し、パターン分析のひな型を作成することができた(検討課題1)。しかし、重心動揺の個人内変動が大きく、さらに詳細な分析が必要であり、現在、重心動揺の周波数分析を追加で実施している。作成したパターン分析のひな型をもとに年代別性別に分布の変化を検討し、年代や性別の違いによって分布特性も異なっている可能性が示唆された(検討課題2)。これらの結果の一部は各種学会(日本教育医学会、日本体育測定評価学会)で発表済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終的な目的は,性格特性や血液型のように, 個人の重心動揺の変動パターン特性を分類し,体調不良や身体異常時,あるいは運動負荷時の動揺パターンと体調良好時の動揺パターンを比較検討し,動揺パターンの変動を具体的・客観的に明らかにすることである。目的達成のために令和元年度(平成31年度)は検討課題1および検討課題2に重点的に取り組んだ。検討課題1では昨年度で課題であった幼児・児童のデータおよび膝疼痛者のデータを重点的に取得することができた。検討課題1および2におけるデータ取得に関しては、ほぼ完了したといえる。また、取得したデータを全て統合し、重心動揺のパターン分析のひな型を作成することができた(検討課題1)。ただし、パターン分析には種々の課題は存在するため次年度以降も引き続き実施する。検討課題2に関しては、検討課題1で作成したひな型をもとに分析を実施し、年代別・性別によるパターンの違いの傾向を確かめることができた。また、現在平行して検討課題3および検討課題4のデータ取得および論文化を進めている。 以上まとめると、令和2年度までに終了予定の検討課題1および2は、解析方法にやや課題が残るものの、データ取得に関しては完了している。また、令和2年度以降進行予定の検討課題3および4に既に着手している。これらの状況から、「おおむね順調にしている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、検討課題1で作成したパターン分析のひな型の再検討を進める。具体的には、現在進めている周波数解析を加え、より厳密なパターン分析を試みる。さらに、その結果を踏まえ、年代別・性別の重心動揺パターンの違いを再検討する。検討課題1でのパターン分析の再検討が順調に進めば論文化に着手していく予定である。 また、並行して「研究課題3 疲労時、 体調不良時及び姿勢変化時の重心動揺パターン」および「研究課題4 各種運動前後時の重心動揺パターン」の実施を進めていく。検討課題3および4における測定条件・調査項目等の検討は令和元年度中に実施済であり、既にデータ取得を開始している。具体的には検討課題3として立位条件を変化させた状態(開・閉眼立位、重量保持立位等)での持たせた状態での重心動揺の変化の検討、検討課題4として運動負荷(自転車ペダリング)条件が重心動揺に及ぼす影響の検討を進めている。検討課題4に関しては、既に論文化を進めており、令和2年度中に投稿できるよう進行する。検討課題3においてもデータの取得が済み次第、論文化を進めていく予定である。また、両課題とも、次年度以降、様々な条件設定を加え、より詳細に課題を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、予定していた学会に使用する旅費等の費用が必要なくなったため次年度使用額が生じた。発生した次年度使用額は、検討課題1に関与する周波数解析に必要とされる人件費や実験に関わる消耗品の購入に使用する予定である。
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