2021 Fiscal Year Research-status Report
二重標識水法を用いた筋萎縮性側索硬化症患者のエネルギー代謝に関する臨床研究
Project/Area Number |
18K11098
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
栗原 美香 滋賀医科大学, 医学部, 栄養士 (90467374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅也 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40242979)
海老根 直之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30404370)
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
安方 惇 東亜大学, 人間科学部, 講師 (20759253)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ALS / REE / NPPV |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、二重標識水(Doubly Labeled Water Method:DLW)を用いて、ALS患者の総エネルギー消費量の実測を行うとともに、呼吸状態、食事摂取状況、重症度、身体組成、インスリン分泌、交感神経機能を考慮に入れたALS患者のエネルギー必要量の推定に資するエビデンスを得ることを目的とする。 エネルギー代謝を評価する方法としては、呼気の酸素消費量と二酸化炭素産生量を測定して安静時エネルギー消費量を求める間接熱量測定法がある。間接熱量計にはマスクタイプと人工呼吸器用の2種類があり、自発呼吸が可能な方の場合はマスク用、人工呼吸器管理の場合は人工呼吸器用を用いる。ALS患者においても、自発呼吸が可能な状況下ではマスク用、TPPV導入後には、人工呼吸器用を使用し、間接熱量測定によりエネルギー消費量、糖質、脂質のエネルギー消費量を測定することが可能である。しかしながら、NPPV装着時には間接熱量測定で測定することはできない。一方、本研究で用いるDLW法は、1日のエネルギー消費量を算出方法としてゴールデンスタンダードであり、NPPV装着時においても正確に評価可能である。 通常、本研究は、DLWの投与、尿採取など、外来での施行は難しく、入院中に行う必要があった。COVID19による入院制限などによる影響で研究が一旦中断されていた。NPPV装着までの患者の間接熱量計による基礎代謝エネルギー消費量を積み重ね、それらの因子についても検討し、1回換気量との関連も確認できた。呼吸状態の低下に伴う代謝亢進がNPPV装着下でどれほど影響するものか、研究再開後に明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、DLW法を用いた研究であるため、試薬の摂取、尿採取など自宅での施行は難しく。
COVID-19の影響により、研究的介入が中断されていた。2022年4月より入院患者への評価が再開可能となったため、今年度、NPPV症例のデータ集積を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ALSのNPPV装着症例の消費エネルギー量は未だ不明のままであり、早急に評価し、患者さんへの臨床に活用する必要がある。 今年度は、研究再開となるため、PEG施行後の再入院時に積極的にデータ集積を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響により研究がすべて中断されたため、試薬の購入と検査分析費用が必要なため。
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