2023 Fiscal Year Research-status Report
他者動作のミラーリングを利用した簡便で新奇な軽度認知症スクリーニング法の提案
Project/Area Number |
18K11102
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
内山 応信 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (30464556)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 認知機能 / 姿勢制御 / 模倣 / 社会的認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:年々増える軽度認知症(MCI)者の約半数はアルツハイマー病に進行する.一方MCIに対する予防介入効果があることも知られている.よってMCI初期に精度高くスクリーニングする方法の確立は,重症化予防の点で極めて重要である.先行研究ではMCIにより低下する注意分配とバランス制御機能に着目したスクリーニング法が検討されているが未だ決定的で簡便な方法は確立されていない. 本研究では新たな観点として,認知症においても機能低下の認められている前頭葉の下前頭回に含まれるミラーニューロン機能すなわち他者動作を模倣する機能に着目する.本研究の目的は模倣,注意分配,バランス制御といったMCI者の苦手課題の複合動作を利用し,これまでより高い精度のMCIスクリーニング法を提案することである.このため,他者動作の模倣といった新たな観点を加えつつ,MCI者の複数の弱点(模倣,注意分配,バランス制御)を複合的に利用した二重課題実験パラダイムを模索する. 計画:研究目的を達成するために平成30年度~令和6年度にかけて下記3課題を遂行する.研究課題Iでは副課題①(他者動作の模倣)が主課題(姿勢制御)に干渉する度合を,研究課題IIでは副課題②(感覚入力への注意の分配)が主課題に干渉する度合を,そして研究課題IIIでは副課題③(①と②の複合)が主課題に干渉する度合を定量化し,それらと認知機能水準との関連を分析する. 令和3年度までに,研究課題Iのデータの分析(各種認知機能水準間の関連,及び社会的認知機能と静的立位制御との相関分析),研究課題IIの分析(感覚入力への注意分配と静的立位制御パフォーマンスの相関分析)と公表,及び研究課題IIIの予備測定と試分析等を進めた. 令和2年度からコロナ禍につき高齢被験者対象の実験室実験を控えた.令和6年4~5月の地域感染者数の収束を勘案し令和6年度中に遂行する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,各研究課題(I~III)において高齢被験者を対象とした実験室実験の実施を予定していたが,令和2年度からコロナ禍につきその実施を控えた.このため研究計画を延長し,令和4~5年度においては,関連先行研究の文献研究及び関連研究発表調査,並びに取得済みデータに対する試分析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度中に,高齢被験者の測定を含め,残る研究課題を推進し,これまでに得た若年成人データとの比較検討等から,本研究のまとめを行う予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍につき当初の研究計画を延長し,令和3以降の研究実施内容(特に,高齢被験者を対象とする実験室内実験の実施について)を令和6年度中に実施することとした.
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