2018 Fiscal Year Research-status Report
中高年の骨粗鬆症予防を考慮したサルコペニア肥満改善プログラムの開発
Project/Area Number |
18K11104
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
久保田 恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (80254564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康日本21(第2次)では、超高齢化社会における健康寿命の延伸のため生活習慣病の発症・重症化予防とロコモティブシンドロームの予防による高齢期の身体機能・骨密度の維持が重点課題となっている。特に女性では閉経により脂質代謝異常症や動脈硬化症を惹起することが知られているが、骨密度の変化との関連は十分に解明されていない。そこで、岡山県在住女性を対象に脂質代謝や体脂肪と骨密度の変化の関係を追跡調査により検討した。 本年度は初年度でありベースライ調査を実施した。研究協力者は地域在住の50~75歳の女性191名であったが、うち脂質代謝異常の服薬治療者と月経不順者を除き165名を対象とした。対象は閉経直後群(閉経後5年未満)55名、閉経群(閉経後5年以上)110名であり、身体状況、食事状況、踵骨骨密度、動脈硬化の進展状況を表すCAVI値を測定した。対象の各群をBMIと体脂肪率から体格を分類したところ閉経直後群ではやせ29.1%・普通25.5%・正常体重肥満29.1%、肥満16.4%であり、閉経群ではやせ4.8%・普通27.3%・正常体重肥満25.5%・肥満26.4%であり、閉経直後群の方がやせ及び正常体重肥満の割合が高く、閉経群の方が肥満の割合が高値であった。閉経直後群、閉経群共に骨密度及び筋肉量は肥満群が最も高値であり、肥満群と正常体重肥満群では差はなかったが、やせ群では有意に低値であった。CAVI値は閉経群の方が閉経直後群より高値であり、両群ともに正常体重肥満群でや正常群ややせ群より最も高かった。3か月間の歩行による運動介入の実施前後の比較において、運動群では骨密度や体格には有意な変化はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年7月の西日本豪雨で研究参加予定者の居住地域が広範囲に被災したため、当初予定の7月開始の研究を10月からに遅らせた。しかし、協力者数の確保はできており、今後の予定は、3か月ずれたい状況ではあるが、継続研究は可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
閉経後女性を対象とした大豆摂取と運動を基軸とした介入研究を継続し、閉経に伴う骨密度の低下や脂質代謝異常の進展予防の有効性を検討する。特に脂質代謝異常や動脈硬化症の進展と骨代謝、食生活習慣(大豆、大豆イソフラボン摂取量を含む)、生活習慣(運動習慣)との関連を明らかにし、閉経後女性の健康維持をエンドポイントとしたサルコペニア肥満と骨代謝について検討する。運動群に関しては歩行運動に加えて筋力増強を伴う運動群を実施し、サルコペニア肥満の改善に有効な運動に関しても検討を行う。
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Research Products
(2 results)