2019 Fiscal Year Research-status Report
中高年の骨粗鬆症予防を考慮したサルコペニア肥満改善プログラムの開発
Project/Area Number |
18K11104
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
久保田 恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (80254564)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康日本21(第2次)では、超高齢化社会における健康寿命の延伸のため生活習慣病の発症・重症化予防とロコモティブシンドロームの予防による高齢期の身体機能・骨密度の維持が重点課題となっている。そこで、岡山県在住女性を対象に脂質代謝や体脂肪と骨密度の変化の関係を追跡調査により検討した。 継続研究の協力者は地域在住の50~75歳の女性のうち脂質代謝異常の服薬治療者と月経不順者を除き2年間のデータの欠損のない114名を対象とし、身体状況、食事状況、踵骨骨密度を測定した。運動群は介入前検査の結果に基づいて、最大酸素摂取量の50%を凌駕する強度での運動時間を210分以上/週以上で集積するように指導した。今回は運動群83名、対象群28名を体格別(BMI25以上の肥満群、BMI25未満の正常群)に分けて検討を行った。体組成において介入前後の体重の変化は運動群、対照群ともにBMI25以上の群で減少していた。また、体脂肪率は運動群では変化がなかったが、対照群では増加し、除脂肪量は運動群、対照群ともに減少していた。また、運動群(歩行)より、運動群(ステップ運動)の方が、体脂肪量の減少傾向及び除脂肪体重の維持傾向が認められた。骨密度に関してはSOS、Zスコアは介入前より介入後の方が減少量は少なかった。BUAは運動群と対照群ともに介入前後で統計的に有意な変化は認められなかった。栄養素摂取状況は運動群と対照群ともに推定エネルギー必要量とエネルギー摂取量との間に有意な差は認められなかったが、対照群では脂質摂取量は介入後に減少し、炭水化物摂取量は介入後に有意に増加していた。運動介入の実施前後の比較において、運動群では、歩行運動よりステップ運動の方が骨密度や体格(除脂肪体重の維持)効果が高い傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の感染拡大や予防のための外出自粛が生活様式を著しく変えたことで、特に2月以降の集団での運動介入事業が中止にせざるを得なかったことや、個人の運動量も1年目より減少し、結果として運動群の設定条件が十分満たせなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
閉経後女性を対象とした大豆摂取と運動を基軸とした介入研究を継続し、閉経に伴う骨密度の低下や脂質代謝異常の進展予防の有効性を検討する。特に血液生化学検査データによる評価も加え、食生活習慣(大豆製品摂取量)と生活習慣(運動習慣)との関連を明らかにし、閉経後女性の健康維持をエンドポイントとしたサルコペニア肥満と骨代謝について検討する。
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Research Products
(2 results)