2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating mechanism underlying systemic effects of mastication
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18K11107
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永井 俊匡 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50451844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 富子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (20259013)
清水 愛恵 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助手 (30816343)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 咀嚼 / DNAマイクロアレイ / 視床下部 / 小脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
咀嚼は、単に消化作用のみではなく、生命の維持に極めて重要で広範な作用を持つ。しかしその効果は現象論的な議論にとどまっており、メカニズムの解明には至っていない。そこで申請者らは、これまでに粉末飼料または固形飼料をラットに与え、DNAマイクロアレイにより脳内発現遺伝子を網羅的に解析した。その結果、視床においては咀嚼による離乳直後の神経ネットワーク形成の制御、視床下部においては視床下部-下垂体-副腎(HPA)系や交感神経系による血圧制御が示唆された。本研究では、咀嚼の脳にとどまらない全身的な効果のメカニズムを解明する。すなわち、① 咀嚼による血圧降下作用の制御因子を同定し、その関与を動物実験で証明する。さらに、② 小脳マイクロアレイを基に分子論から咀嚼の運動機能に対する効果を予測し、動物を用いて検証する。 ①について、最終年度においては視床下部のHPA系関連遺伝子の発現が変動することを実験的に証明した。これまでの研究期間全体を通して、HPA系の咀嚼による変化を遺伝子発現レベル、タンパク質レベルについて捉えることに成功した。また、中枢神経系のタンパク質合成の亢進も示唆した。 ②については、最終年度においてはラットの活動量が咀嚼によって増加することを明らかにした。これまでの研究期間全体を通して、小脳の神経形態形成・長期増強の変化を遺伝子発現レベルで示唆し、運動機能測定系の確立、活動量増加の発見を成した。
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Research Products
(3 results)