2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the molecular mechanism of circadian clock and cerebral insulin resistance involving in beta-amyloid deposition
Project/Area Number |
18K11108
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
丸山 弘子 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (50129269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 徹 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (30158927)
川上 文貴 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50511896)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 概日リズム / 摂食時間変更 / 運動変化 / 時計遺伝子 / BEMAL-1 / Tauタンパク質リン酸化 / βアミロイド / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
インスリン抵抗性(糖代謝異常)と食事リズムの変動により概日時計は変動することが報告されている。また、アルツハイマー病(AD)発症は脳のインスリン抵抗性が一因と言われている。しかし、AD発症にインスリン抵抗性と概日時計がどのように関わっているかのメカニズムは不明である。 本課題では、AD発症(Tau蛋白質リン酸化、βアミロイド沈着)に食事(高脂肪食)により誘導される糖代謝異常と概日時計の変動が関与しているかを解明することを目的として計画した。1) FD-glucoseを用いたバイオラジオグラフィ法にて脳代謝賦活化状態での糖代謝機能を解析した結果、正常マウスに比べてADマウスで抑制的であった。これはTau蛋白質(Tau)のリン酸化による神経細胞変性とアポトーシスによる神経細胞の減少が原因と考えられた。高脂肪食での取り込みの違いと概日時計の変化との関係を明確にはできなかった。 2) 摂食時間の変更により概日リズムが変化することを時計遺伝子(BMAL-1)の発現の変化で確認し、マウスの活動量を震度計で調べた。その結果、摂食時間の変更により明から暗サイクルへの切り替え時に反応性が高まることが分かった。正常マウスでは高脂肪食によるTauのリン酸化の影響は比較的小さいが、摂食時間の変更により増強されることをWestern blot法と免疫組織法にて確認した。ADマウスでは高脂肪食によりTauのリン酸化が増強し、βアミロイドの沈着が増加することが認められた。しかし、摂食時間の変更による概日リズムの変化の影響は比較的小さい結果であった。 この研究から、長期間の極端な食内容の偏りと食事リズムの変動でTauのリン酸化が増強しβアミロイド沈着が亢進する可能性の一端を解明できたことから、高齢化社会でのAD発症の予防・抑制に貢献できる結果となった。
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