2022 Fiscal Year Research-status Report
連続暗黒飼育で阻害される精子形成をシスチン添加食が改善するメカニズム解明の研究
Project/Area Number |
18K11112
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
花井 美保 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 教授 (70337781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 史子 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (80333566) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連続暗黒飼育 / テストステロン / 低タンパク質 / 精巣 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
連続暗黒下で雄ラットを低タンパク質飼料で4週間飼育すると、精巣重量やテストステロン濃度が低下するが、飼料にシスチンを添加することで、精巣重量やテストステロン濃度にが改善がすることはすでに報告してきた。また、精巣のライディッヒ細胞の分化程度を反映するInsl3mRNAの発現量は、連続暗黒下で4週間飼育したラットでは、正常明暗下で飼育したラットと比較して差はみられないが、3週間連続暗黒飼育したラットでは、正常明暗飼育したラットに比較しInsl3mRNAの発現量は低下していた。このことから、Insl3mRNAの発現量はラットの週齢で変化し、連続暗黒飼育の影響を受けやすいことが示唆された。 そこで今年度は、Insl3mRNAの発現量に対する週齢と連続暗黒飼育の影響を検討した。ただし、基礎データをとる目的もあったため、飼料はAIN-93G飼料を用いた。その結果、2週間飼育した場合(5週齢)ですでに連続暗黒飼育によりInsl3mRNAの発現量が低下していた。また、正常明暗飼育した場合は、2週間飼育(5週齢)と4週間飼育(7週齢)で発現量に差がみられたが、連続暗黒飼育した場合は、発現量に差はみられなかった。このことからライデッヒ細胞の正常な分化は、比較的初期の段階で連続暗黒飼育により阻害されている可能性が示唆された。一方、テストステロンについては、テストステロンの分泌リズムの振幅が、2週間飼育、4週間飼育ともに、連続暗黒飼育により減弱していた。さらに、正常明暗飼育では、2週間飼育と4週間飼育で分泌リズムの位相の変化がみられたが、連続暗黒飼育では、位相の顕著な変化はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Insl3以外の遺伝子のmRNAの発現量の解析が予定通り進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度を最終年度とし、連続暗黒飼育下で変化するテストステロン合成関連酵素遺伝子に関し、可能性のある遺伝子についてさらに解析を進め、これまでの結果とともにまとめたい。
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Causes of Carryover |
テストステロン合成など精巣発達に関与するmRNA発現量の解析が途中になったため、さらに解析を進めるため、試薬類を購入予定である。
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