2019 Fiscal Year Research-status Report
Metabolic pathway and blood brain barrier permeability of anthocyanin component and its metabolites
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18K11113
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
松本 均 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (00566292)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | anthocyanin / 4-Hydroxybenzoic acid / Protocatechuic acid / Blood Brain Barrier |
Outline of Annual Research Achievements |
①雄性Wistar Ratにカシスあるいはイチゴアントシアニン(AC)抽出物をそれぞれ経口投与し、投与前、投与後2, 18hにおける脳中のACおよびフェノール酸もLC-MSMSで分析した。イチゴ脳中にはACであるPelargonidin-3-glucosideが極微量検出された、また代謝物である3,4-Dihydroxybenzoic acid(PCA)、4-Hydroxybenzoic acid(4-HBA)、Hippuric acidが検出された。特に 3-(4-Hydroxyphenyl)propionic acid(HPPA)は、最も高濃度で、投与18 h後も脳中に存在していた。カシス抽出物投与の結果は、投与2h後においてCyanidin-3-rutinosideおよびHippuric acidのみが定量できたが、極微量であった。 ②Wistar Rat由来のBBBキットを用いてACおよびフェノール酸のBBB透過性を検討した。ポジティブコントロールであるCaffeineと比較してACおよび代謝物である11種類のフェノール酸のBBB透過性は極めて低い値となった。同じキットで透過性があると報告のあるEpicatechin, Epigallocatechinを同じ実験系で評価したが、これは既報のように、ある程度の透過性が確認できたことから、ACおよびその代謝物は、BBBを通過するとは考えにくい結果となった。 ACは、タンパク質に吸着する性質があることから、①の実験で検出された、ACおよびその代謝物は、脳血管に吸着してた成分を分析したものであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①昨年度調製したACのサンプルを用いて、ラットにAC抽出物を経口投与実験を行った。昨年、尿中に確認できた代謝物について、脳中での分析を試みた。タンパク質への吸着性が心配されたが、定量性は問題なく確認でき、分析系の確率はできた。しかし、脳にはACやその代謝物はほとんど見られなかった。 ②BBBキットを用いた評価法の導入に、問題なく実施できた。評価系におけるサンプルの安定性評価も終了し、問題なく測定できることが分かった。そこで、AC5種類と代謝物11種類について、BBBキットを用いた評価を行った。結果は、どの成分も、透過性がないと判断することが妥当だという結論に達した。ポジコンとして、既報のEC、EGCGの評価を行ったところ、透過性が確認でき、評価系の妥当性を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究開始時の研究計画は、ACあるいはその代謝物が脳内に移行するという仮説で立案していた。本年の研究成果により、ACおよびその代謝物は、BBBを透過せず、脳内には移行しないという結論となった。当初の計画書には、代謝経路の解明や、その透過性に関して、腸内細菌の関与などを評価する予定であったが、BBBを透過しないため、無意味であると判断し、その部分は実施しないこととした。 その代わりに、ACの種類によって、透過性が変わってくる可能性が示唆されたため、ACの種類を増やして、BBB透過性の評価を継続することとしたい。具体的には、ACを含む食品として、最も有名なブルーベリーを考えている。
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Causes of Carryover |
年度末に、計画していた実験が、コロナウイルスの影響で中止となったため、来年度に繰り越しとなったため、予算もその分を良く年に繰り越すこととした。
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