2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the method to estimate the energy requirements of physically disabled athletes
Project/Area Number |
18K11121
|
Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
元永 恵子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 研究員 (20330516)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | パラアスリート / 基礎代謝量 / 総エネルギー消費量 / 二重標識水法 / 体組成 / 脊髄損傷 / 肢体不自由 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートの推定エネルギー必要量(EER)の設定は、栄養サポートで重要な項目の1つであり、エネルギー産生栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物の目安量設定に影響する。厚生労働省が健康な個人を対象に策定している「日本人の食事摂取基準2020年版」でEERは総エネルギー消費量(TEE)と同量とされ、「基礎代謝量(BMR)×身体活動レベル(Physical Activity Level、PAL)」が算出式として示されている。しかしながら、車いすを利用する障がい者アスリート(パラアスリート)では、様々な障がいの種別によりエネルギー代謝機構や筋肉量、神経支配、ホルモンバランスなどが健常者とは異なる可能性が考えられるため、健常者の推定式を用いたBMRの推定は実測値とかけ離れることが多く、結果的にTEE推定およびEERの設定が難しくなっている。また、先行研究でいくつかの車いす利用者独自のBMR推定式も作成されているが、対象者の障害種別を、同じ脊髄損傷とは言え頚髄(四肢麻痺)と腰髄(下肢麻痺)を一括りにされて検討されたものが多く、やはり実測値との差が大きくなる。 そこで本研究では肢体不自由のあるアスリートの①二重標識水(Doubly Labeled Water、DLW)法によるTEE、②BMR、③二重エネルギーX線吸収測定(Dual energy X-ray Absorptiometry、DXA)法を基準とした各種体組成の推定値の比較、④TEEとBMRから算出したPALのデータをそれぞれ取得し、⑤TEE、BMR、体組成より算出した各指標を多角的に分析した。 その結果、特に脊髄損傷アスリートの場合は、損傷高位や麻痺の完全性が筋肉量や体組成に影響することがBMRの推定に影響することが考えられた。またTEEとBMRから算出したPALは健常アスリートと同程度であることが確認できた。
|