2018 Fiscal Year Research-status Report
Effect of exercise trainning on skin-gas nitric oxide
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18K11126
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10203168)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一酸化窒素 / 皮膚ガス / 内皮細胞 / 毛細血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではトレーニングが皮膚ガス中NO濃度に及ぼす影響について、年齢や性別の異なる被験者を対象として、運動習慣やトレーニングの種類、トレーニング期間から横断的、縦断的に明らかにすることを目的としている。 平成30年度は運動時の皮膚ガス中一酸化濃度(nitric oxicide;NO)の変化と組織血流量変化、毛細血管動態変化について検討した。 具体的には、健康な男子大学生を対象に自転車による最大下運動(50%HRmax)を行わせ、運動前後で皮膚ガス中NO濃度、局所での組織血流量および毛細血管の血流速度変化との関係について検討した。 方法としては、毛細血管・血流観察装置(VA-101S)を使用して指先の血流変化と皮膚ガス中一酸化濃度(nitric oxicide)変化について観察し、薬指に特定波長可視光線を集中照射して毛細血管画像診断(血流観察システム、あっと社製)を行って毛細血管内の赤血球の流速、毛細血管の太さの変化について運動前後に比較、検討した。 その結果、運動に伴って組織血流量、皮膚ガス中NO濃度は上昇し、毛細血管の太さに有意な変化は認められなかったが赤血球の流速は大きく上昇し、皮膚ガス中NO濃度と毛細血管流速との間には有意な正の相関関係が認められた。 以上のことから、毛細血管には平滑筋がないため運動時に毛細血管内皮細胞から放出されるNOは毛細血管自体の拡張には大きく関わらないが、毛細血管内での血流をスムーズにする効果がある可能性、また、毛細血管生成されたNOが周辺に拡散して周辺の動脈の拡張を始めとした組織内での生理学的機能に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に購入した機器、画像分析ソフトにより毛細血管内の画像解析を順調に行うことが出来た。これにより毛細血管内の様子を赤血球単位で鮮明に観察することが出来るようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
全身運動による持久性トレーニングが皮膚ガス中NO濃度に及ぼす影響と血管内皮機能等との関係を明らかにする。 1) 被験者:健康な非鍛錬者で20、40歳代の男子、それぞれ30名、合計60名を年齢別にランダムにトレーニング群とコントロール群に分ける。 2)トレーニング:週4回、30-40分間の60-75%HRmaxのランニング運動を3ヵ月間行わせる。 3) 皮膚ガス採集および測定方法:安静および運動後(20分後まで5分毎)の皮膚ガスをAと同様に手、さらに大腿四頭筋表面(開発した採集装置)を用いて採集してNO濃度を測定する。測定は、トレーニング前、トレーニング開始後1、2、3カ月、トレーニング終了後3カ月まで毎月行う。 4)血管内皮機能血圧検査、FMDおよび末梢血管診断:Aと同様に運動前後に測定するがFMDは安静時のみとする。
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Research Products
(2 results)