2019 Fiscal Year Research-status Report
一般住民女性における腸内細菌叢と潜在性動脈硬化との関連に関する疫学研究
Project/Area Number |
18K11127
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
近藤 慶子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20566567)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
藤吉 朗 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (10567077)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 腸内細菌叢 / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂取した食物は腸管内で消化・吸収される。腸内細菌は食物残差(食物繊維など)を栄養源とすることで共生している。近年、腸内細菌叢が炎症性腸疾患のみならず動脈硬化と関連する事が示唆されている。しかし、一般住民コホートにおいて腸内細菌叢と潜在性動脈硬化との関連を検討した報告はほとんどない。本研究では、一般住民において、腸内細菌叢と潜在性動脈硬化との関連を検討するとともに、古典的危険因子および食事内容(パターン)の影響を検討し、動脈硬化の進展における腸内細菌叢の役割について明らかにすることを目的とする。 我々の施設で平成27年より実施している草津市在住女性を対象とした潜在性動脈硬化に関する疫学調査(滋賀動脈硬化疫学研究[SESSA-Women])に参加する者を本研究の対象として、便検体を用いた腸内細菌叢の解析を行う。 2020年3月31日までに415名の採便および便DNA抽出が終了している。今後引き続き、対象者数を増やし、便DNA抽出検体を用いた次世代シークエンス解析にて腸内に存在する細菌の種類およびその量を判定する。 最終的には、腸内細菌叢パターンと①大動脈・冠動脈石灰化、②頸動脈内膜中膜肥厚度、③無症候性脳血管障害(ラクナ梗塞、微小出血、白質病変、脳動脈狭窄)、③血管内皮機能、④動脈硬化の古典的危険因子(血糖、血圧、血中脂質レベルなど)、⑤食事内容との関連を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
母体研究の対象者リクルートがやや遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、対象者の採便およびDNA抽出を継続し、2019年度までに取得した検体を用い次世代シークエンス解析にて腸内に存在する細菌の種類およびその量を判定する。
|
Causes of Carryover |
本研究の研究経費の主な使途は、腸内細菌叢パターンを同定するための便DNA抽出液を用いた次世代シークエンス解析のための費用である。当初は便DNA抽出終了後、順次、シークエンス解析を行う予定であったが、まとめて検査会社に送った方が効率が良いと考えた。昨年度(2019年度)はシークエンス解析にかかる費用が発生しなかったため、本年度(2020年度)に研究費用を繰り越すこととなった。本年度は、昨年度までに取得した便DNA抽出液を用い、次世代シークエンス解析を行う予定である。
|