2019 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを利用した高速ゲノム編集マウスでの老化の不妊症原因遺伝子の解明
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18K11128
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 正人 東海大学, 医学部, 教授 (90372945)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / マウス / 卵巣 / 老化 / 排卵 |
Outline of Annual Research Achievements |
若齢(6週齢)と老齢(48週齢)のC57BL/6マウスに対して, 5IU PMSGおよび5IU hCGを腹腔内投与し、排卵刺激を行った。hCG投与後24, 48, 72, 96hの各時点で卵巣を採取し(n=4)、片側の卵巣はHE染色を行い、他方の卵巣はTotal RNAを抽出した。HE染色で発育卵胞数および新生黄体数を計数し、加齢の影響を解析した。卵巣から抽出したTotal RNAを用いて27bpの長鎖タグ配列のライブラリーを作製し、次世代シーケンサーでの網羅的遺伝子発現解析を行った。得られた12,685遺伝子の発現パターンを分類するために主成分解析を行い、顕著な変動を示す遺伝子群のパスウェイ解析を行った。さらにこれらの遺伝子と排卵機能の関係を解明するためGONAD法の条件検討を行った。卵管内受精卵でCRISPR-CAS9によるゲノム編集が行われたことを確認するため、チロシナーゼ遺伝子点変異を有するアルビノマウスを用いて野生型の遺伝子改編実験を行った。ゲノム編集の指標には眼球の色素沈着を用いた。HE染色による観察の結果、発育卵胞数に週齢の差は認められなかった。一方で新生黄体数は、hCG投与後24hで若齢と比べて老齢で有意に減少し、排卵応答の低下が確認された。主成分解析の結果、PC1軸は週齢に関連する遺伝子が分類されPC2軸はタイムコースに関連する遺伝子が分類された。排卵応答低下に関連するhCG投与直後の変動遺伝子経路は、若齢では解毒系経路、老齢ではヒスタミン分解経路が検出された。GONAD法は、妊娠13.5日目の同一腹仔マウスで1回目 2/3 匹(66.6%)、2回目 7/8匹(87.5%)、3回目 (木曜判明)でノックインマウスが検出され、高い確率でゲノム編集が行われたことを示している。この技術を用いて老化マウスの排卵機能低下に関連する遺伝子群を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物飼育施設で大規模な蟯虫汚染事故が発生し、すべての動物飼育が中止になったため、研究がストップした。その影響で研究の進捗に遅れが見られるが、結果が順調に得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、作製しているゲノム編集マウスで排卵やホルモン分泌を検証する。さらに卵巣をシングルセルに分離し全遺伝子解析を調べることで卵巣を構成している細胞腫の中でどの細胞に問題があるか解明する。
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Causes of Carryover |
動物飼育施設で蟯虫の大規模な感染事故が発生し、動物の飼育・繁殖が滞っており、研究が進まない状況が続いたため。その後、順調に繁殖ができ、良好な結果が得られている。
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[Journal Article] SAM68-Specific Splicing Is Required for Proper Selection of Alternative 3' UTR Isoforms in the Nervous System2019
Author(s)
Iijima Y, Tanaka M, Suzuki S, Hauser D, Tanaka M, Okada C, Ito M, Ayukawa N, Sato Y, Ohtsuka M, Scheiffele P, Iijima T.
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Journal Title
iScience
Volume: 22
Pages: 318~335
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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