2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study of protein-protein interaction and its relationship with zinc in iron deficiency anemia
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18K11133
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Research Institution | Kyushu Nutrition Welfare University |
Principal Investigator |
坂尻 徹也 九州栄養福祉大学, 食物栄養学部, 准教授 (40412928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 克哉 旭川医科大学, 医学部, 客員教授 (00396376)
乾 隆 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80352912)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セルロプラスミン / トランスフェリン / 金属サイト結合予測 / 複合体予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の2の亜鉛結合 Cpと Tfの複合体における結合サイトおよび構造解析の研究を進めた。 昨年度までの研究によりCpに3つの亜鉛イオンが結合することが判明している。そこで金属イオン結合サイト予測法によりCpの亜鉛イオン結合サイトを予測した。金属イオン結合サイト予測は、構造既知の金属タンパク質データベースから予測する方法で、金属イオン種による結合サイト予測が可能である。その結果、Cpに42個の亜鉛イオン結合サイトが予測された。さらに、金属結合サイトを絞るために、Native-PAGEを行ったところ、Cpの表面電荷が変化することが分かった。また、2価金属イオンキレーターにより亜鉛イオンがCpから除去できることから、Cpの金属イオン結合サイトはタンパク質表面であることが考えられた。タンパク質表面の金属結合サイトに絞ることで、Cpの亜鉛結合サイトは6カ所となった。他の金属イオンが結合していることが報告されている部分を除外することで3カ所に絞ることが可能であった。 次にCpとTfのドッキングシミュレーションを行ったところ、CpとTfの複合体結合サイトに3つの予測された金属結合サイトが含まれる複合体構造の構築をすることが可能であった。この結果、2つのCpと1つのTfの複合体構造を得ることができた。 亜鉛イオンはCpとTfとの接触酸性アミノ酸残基の間に存在し、静電相互作用の反発項を打ち消す役割を担っていることが分かった。この複合体から、CpからTfへの三価鉄の移動経路は、CpとTfの結合サイトでタンパク質の間を通り、尚且つ酸性アミノ酸が豊富な経路を通ることで水分子に接触せずにCpからTfへ鉄イオンを受け渡すことが可能であることが分かった。また、鉄イオンがTfへ移行し、Tfは閉じた構造に変化するが、その鉄結合TfはCpと結合ができないこと分かった。 本研究内容については国際誌に投稿中である。
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