2021 Fiscal Year Annual Research Report
Combinatorial analysis of the solution spaces of systems of polynomial equations
Project/Area Number |
18K11155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 眞一 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (30623540)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフの大域剛性 / 分子剛性定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフの大域剛性の特徴づけ問題に取り組み、距離制約から定まる多項式系の解の組合せ的特徴づけを考察した。具体的には、以下の成果を得た。 単体分割された多様体の局所的構造(各面の形状)から,多様体の全体の幾何的実現の決定可能性を考察した。この問題は多様体が2次元球面の場合においても、多面体の剛性問題として古くから研究がなされている。特にConnellyによる柔な多面体の構成が有名であるが、Gluckによって一般的な点配置の多面体は必ず剛であることが示されており、さらにFogelsangerによってGluckの定理の一般次元多様体への拡張が知られている。Fogelsangerの定理は、単体分割された多様体が連続的な変形に対し剛であることを意味している。本研究では、連続変形だけでなく、多様体全体の大域的な幾何実現の唯一性が成立するための組合せ的特徴づけの導出に成功した。 またグラフの階乗操作と大域剛性の関係を考察した。階乗グラフの剛性解析は、タンパク質の挙動解析やセンサーネットワークの配置同定などにおいて以前から考察されている話題であるが、その大域剛性は十分に理解されていない。研究の動機となったCheungとWhiteleyによる階乗グラフの大域剛性予想に関して、簡単な特殊ケースの証明を行なった。また応用上重要である2乗グラフの3次元大域剛性の解析を行い、大域剛性の必要条件の導出を行なった。さらに2乗グラフの大域剛性問題の解決に向け、2011年に加藤氏との共同研究で示した分子剛性定理の別証明を与えた。
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