2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K11169
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
清見 礼 成蹊大学, 理工学部, 教授 (30447685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大舘 陽太 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (80610196)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 頂点インテグリティ / 固定パラメータ容易性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に以下の研究成果を得た。 ・頂点インテグリティと呼ばれるグラフパラメータと木分解の関係を用い、様々な問題に対する固定パラメータ容易性を示した。木幅で固定パラメータアルゴリズムを作ることが難しい問題については、パラメータとして treedepth や頂点被覆を用いることが多く行われてきたが、treedepth と頂点被覆のギャップが大きく、頂点被覆をパラメータにすると簡単すぎるが、treedepth をパラメータにすると解けない、というような問題がたくさん存在する。そこで treedepth と頂点被覆の中間のパラメータとして頂点インテグリティというパラメータに注目し、treedepth をパラメータにすると固定パラメータアルゴリズムが作れない問題に対して固定パラメータアルゴリズムを開発した。 ・固定パラメータ困難問題に対するXPアルゴリズム(パラメータが定数だとした場合の多項式時間アルゴリズム)を開発した。具体的には重みつきシュタイナー森問題が頂点被覆が定数なときに多項式時間で解けるアルゴリズムなどを開発した。固定パラメータアルゴリズムは計算量がパラメータに関する(問題サイズとは無関係な)式と問題サイズの多項式の積であることを要求するが、XPアルゴリズムは条件を少し緩めてパラメータが問題サイズの肩に乗ることを許す。これにより固定パラメータ困難な問題でも、パラメータがごく小さい場合、高速なアルゴリズムを実現することが可能となる場合があり、その例を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文、国際会議で様々な結果を発表しており、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年にあたるので、固定パラメータ困難問題に対し、より汎用な対処法の開発に注力したい。また引き続きよいパラメータの検討などを行い、既存の枠組みで解決できない問題へのアルゴリズムの開発を行っていく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、予定していた海外出張ができなかった。本年度は状況が好転し出張が可能となれば出張を行いたい。難しい場合、海外の研究者を招聘することは可能と思われるので検討していく。
|