2021 Fiscal Year Research-status Report
Combinatorial generation with fixed-parameter tractable preprocessing
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18K11174
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
玉木 久夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (20111354)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 木分解 / 木幅 / 上界 / 下界 / 潜在極小クリーク / マイナー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、課題の主目標に対する重要な基礎である木幅計算のアルゴリズムの研究を行った。上界アルゴリズムと下界アルゴリズムの両方において大きな進展があった。 上界アルゴリズムは、2019年に発表した”A heuristic use of dynamic programming to upperbound treewidth“(Tamaki2019)のアプローチを発展させ、技法を単純化した。このアプローチは、次のようなアイディアに基づいている。Gをグラフ、\Pi(G)をGのすべての潜在極大クリークの集合とする。\Pi(G)の各部分集合\Piに対してtw(\Pi)によって、どのバッグも\Pに属するような木分解で幅の最小値を表す。BouichitteとTodinncaの動的計画法アルゴリズム(BT法)は元来tw(\Pi(G))を計算するために設計されたが、任意の\Pi⊆\Pi(G)に対してtw(\Pi)を計算するために用いることができる。これを利用して、木幅計算をtw(\Pi)を評価関数とする2^\Pi(G)上での最適化と見なし、その解空間上で局所探索を行うのが、Tamaki2019のアプローチであった。しかしながら、Tamaki2019では、解の改善には極めてアドホックな操作がいくつも使われていた。今回は解の改善を、「ふたつの解をマージする」という単一の操作で行うことにより、単純で洗練されたアルゴリズムにまとめることができた。 下界アルゴリズムは、マイナーにもとづいた木幅の下界を漸進的に改良していくものである。 これらの上界アルゴリズムと下界アルゴリズムを組み合わせることにより、これまでの木幅ソルバーでは計算ができなかったようなグラフインスタンスについても厳密な木幅が計算できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題の主目標である組み合わせ列挙のアルゴリズムを厳密化する作業は進んでいない。その基礎となる木幅計算の実用的なアルゴリズムの開発において大きな進展があるためにそちらに努力を傾注している。学問的な前進という面からは、予定以上に進んでいるとも言えるが、直接掲げた目標に照らせば、遅れていると言わねばならない。
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Strategy for Future Research Activity |
実用的な木幅アルゴリズムの研究が一段落しつつあるので、(研究期間延長後の)最後の一年間で、目標とした組み合わせ列挙のアルゴリズムを精密化して論文として出版する。
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Causes of Carryover |
研究経費は、主に国際会議参加等の海外出張旅費として計画していたが、COVID19の影響で海外出張を実施することができなかった。2022年度は対面での国際会議の参加し、また海外研究期間との共同研究を行うための出張旅費として使用する。
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