2018 Fiscal Year Research-status Report
Various Approaches to Computationally Hard Combinatorial Optimization Problems
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18K11183
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
陳 致中 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00242933)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物系統樹 / 固定パラメータアルゴリズム / 整数線形計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
同じ葉集合を持つ一組の生物系統樹が入力されたとき,入力生物系統樹から一部の葉を除去して,除去後の生物系統樹をすべて含むような生物系統樹(中心生物系統樹という)を1本構築する問題について研究を行った.入力生物系統樹から削除される葉の総数を最小化する場合の問題をAST-LRで表し,各入力生物系統樹から削除される葉の最大個数を最小化する場合の問題をAST-LR-dで表す.ChauveらがAST-LRもAST-LR-dもNP困難であることを証明して,固定パラメータアルゴリズムを設計した.本研究では,ChauveらのAST-LRを解くためのアルゴリズムに不備があることを指摘した後,新しい固定パラメータアルゴリズムを設計して解析した.また,ChauveらのAST-LR-dを解くためのアルゴリズムを指数倍高速化した. 残念ながら,Chauveらのアルゴリズムと同様に,本研究で提案した固定パラメータアルゴリズムは両方とも時間計算量が大きく,実用的ではない.そこで,AST-LRとAST-LR-dの整数線形計画モデルを設計して,その性能を実験で検証した.その結果,2つのモデルとも小規模の入力データに対してよい性能を示すことを確認した. より大きい規模の入力データのために,AST-LRとAST-LR-dの近似整数線形計画モデルをそれぞれ設計した.近似モデルの解は必ずしも厳密モデルの解にならないが,近似モデルの解の目的関数値は厳密モデルの解の目的関数値の下界になるだけでなく,近似モデルを解いてからその結果(近似解)を厳密モデルの「MIP Start」として使える.このアイディアに基づいて,近似モデルを厳密モデルの解決の手法として使ったときの性能を実験で検証した.検証の結果,近似モデルの有用性を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AST-LRとAST-LR-dについての研究が予定通り順調に進んだ.その一部の結果をまとめた論文は国際会議BIBM-2018に受理されて,昨年の12月に発表された.残りの結果をまとめた論文は国際会議ISBRA-2019に受理されて,今年の6月に発表されることになっている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAST-LRとAST-LR-dの固定パラメータアルゴリズムの高速化を図りたい.また,両方の問題の近似アルゴリズムについても研究を行う予定である. AST-LRとAST-LR-d以外の計算困難な問題についても研究していく.現時点で,「グラフの均等分割問題」や「三角不等式を満たすグラフ上の三角形パッキング問題」などの研究を計画している.
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Causes of Carryover |
研究成果を2つの国際会議にて発表する予定であったが,研究対象が計算困難な問題であるため実験等で時間が取られてしまい,1つの国際会議にてだけ研究成果を発表した.今年の6月に開催される国際会議ISBRA-2019にて研究成果を発表するので,次年度使用額をその旅費として使う予定である.
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