2021 Fiscal Year Research-status Report
Various Approaches to Computationally Hard Combinatorial Optimization Problems
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18K11183
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
陳 致中 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00242933)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 最大三角形パッキング / 近似アルゴリズム / 乱択アルゴリズム / ならし解析 / 脱ランダム化 |
Outline of Annual Research Achievements |
三角不等式を満たすグラフ上での最大重み三角形パッキング問題(MMTPと略す)について研究した。MMTPがNP困難であるが期待近似率0.66745-εを達成する乱択近似アルゴリズムが知られている。本研究ではまず、その乱択近似アルゴリズムの脱ランダム化を目指した。その概要が次の通りである。既知の乱択近似アルゴリズムで入力グラフGから3つの三角形パッキングT1,T2,T3を構築してその中で重みが最も大きいものを出力する。T1とT2の計算が乱数を必要としないが、T3の計算においてランダムなマッチングを用いている。本研究で、T3の計算で用いるランダムマッチングを改善して、pairwise独立性しか要求しないようにすることによって、近似率0.66745-εを維持したまま脱ランダム化できるようにした。
次に、MMTPの特別な場合として入力グラフの各辺の重みが1か2である場合(1-2MTPと略す)について研究した。1-2MTPがNP困難であるため、上記の0.66745-εよりよい近似率を達成する近似アルゴリズムの設計が有意義になる。本研究ではまず、1-2MTPの簡単な乱択近似アルゴリズムを設計して、その期待近似率が0.75であることを証明した。その乱択アルゴリズムがpairwise独立性しか要求しないので、簡単に脱ランダム化できる。次に近似率0.7666を達成する決定性近似アルゴリズムを設計した。そのアルゴリズムの設計では、最大2-マッチング問題の多項式時間アルゴリズムとならし解析を活用した。アルゴリズムの解析では多数の場合分けが必要となり、複雑な解析になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大三角形パッキングとその特別な場合について研究を行い、従前の近似アルゴリズムよりよい近似率を達成する新しい近似アルゴリズムを設定することができた。現在、研究成果を論文としてまとめている最中であり、近いうちに国際会議または学術論文誌に投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
テスト付きマルチプロセッサースケジューリング問題のセミオンラインアルゴリズムを設計する予定である。この問題では、ジョブの列J1,J2,...,Jnと各ジョブJiのテスト時間tiおよび処理時間の上限uiが与えられる。各ジョブJiの厳密な処理時間piは未知であるが、テスト時間tiをかけてテストを行えばpiを知ることができる。piを知っていればJiの(テスト以外の)処理時間がpiとなるが、piを知らなければ、Jiの実際の処理時間がuiとなる。目的は、各ジョブJiについてテストをするか否かを決定し、J1,J2,...、Jnをm台の同型マシン上で実行して終了時間の和を最小化することである。この問題はすでに活発に研究され、いくつかのセミオンラインアルゴリズムが設計されている。本研究で、この問題に対して、よりよい競合比を達成するセミオンラインアルゴリズムを設計して解析する。
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Causes of Carryover |
春休みと夏休みにそれぞれ1ヶ月の海外出張を予定したが、新型肺炎のせいで中止せざる得なかった。
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