2020 Fiscal Year Research-status Report
小標本臨床試験におけるカテゴリカル変数に対する正確検定の開発
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18K11195
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 紘司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10548176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 選択デザイン / 臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度取り組んだ研究テーマとしてはSargent and Goldberg (2001)の方法をベースとした選択問題である.小標本下で適用可能な漸近論に基づかない確率評価が必要となり,これを正確に求めるための式を導出した.しかしこれは主に2つの治療法から有用なものを選択する場合に限っており,これを3つ以上の治療法の場合にも適用できるように拡張する必要がある.ただし,2つのうちどちらを選択するかにおける正確計算においてもかなり計算時間およびプログラミングの際にメモリを消費するため,効率的なアルゴリズムを考える必要が別途あることがわかった.一方で,元々は正確な確率評価を目標としていたが,近似式によって評価した場合にどの程度誤差があるのかを評価することも重要と考え,上述の確率を近似的に評価するための式を導出した.この計算は積分計算によって求められるため計算時間も非常に早く,メモリ消費も微々たるものであった.正確に計算を行った場合の結果と,近似式を用いた場合の結果の差は,たとえばn=50程度のサンプルサイズでもほぼ差がないことがわかり,実際の臨床研究での実用上は近似式での評価で十分であることもわかった.あわせて,実地の場で提案手法を利用いただくには,たとえばサンプルサイズ計算が必要となるため,これらが容易に行えるようにwebアプリケーションの開発も同時に行っている.現時点ではそのアプリケーションの実装中および論文執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した3つの課題のうち,2つは目標達成しており,今年度は3つ目の課題に取り組んだ.年度内に論文化まで行う目標ではあったが,新型コロナ感染症の影響もあり少し進捗が遅くなったところはあったが,一定の成果は得られ,論文執筆まで進んでいることからおおむね当初の予定通り進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は残っている3つ目の課題に関する論文のacceptを目指し,できる限り早く論文投稿を行い,年度内のacceptを目標とする(アプリケーションも同時開発).
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で,とくに国際会議への出席がかなわず,参加者や関連分野の専門家と十分なディスカッションができなかったため,当初の予算執行計画通りにいかなかった.
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