2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of statistical models for data containing heterogeneous subgroups using statistical learning theory and its application to clinical medicine
Project/Area Number |
18K11197
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 賢一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70617274)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経時データ / 生存時間モデル / 再帰分割法 / 回帰モデル / 平均治療効果 / 平均因果効果 / 共変量調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,異質な部分集団によって構成されるデータに対し,「予測力(説明力)」と「解釈可能性」が両立する統計的方法の構築に寄与することであ る.2023年度は,まず計画通り経時ー生存同時モデルに対する再帰分割法についての研究をまとめ,学会発表を行った.この研究は,生存時間と経時的に観測される変数を応答変数として考え,ベースライン共変量との関連を表現するモデルに関するものである.これについて,異質な部分集団を想定した再帰分割法のアルゴリズムを提案し,またシミュレーションによりその有用性を示した. また,臨床試験における共変量調整についての研究を実施した.臨床試験では,無作為化により各治療群において背景因子が平均的に等しいという条件が担保される.これによって,群平均の比較が治療効果として推定・解釈することが可能である.一方で,共変量を調整した回帰モデル(共分散分析モデル)を用いることにより治療効果の推定精度が向上することも指摘されている.さらに,Schuler et al. (2021)では過去のデータ(ヒストリカルコントロールデータ)に基づき「予後スコア」を構築することにより,その精度を向上させるための枠組みであるPROCOVAが提案されている.我々は,これをさらに拡張し,予後スコアと治療インディケータの交互作用を含めて調整する回帰モデルを用いて治療効果が精度よく推定できることを示した.交互作用の導入は,治療効果が共変量に依存して異なる場合を考慮していることに相当し,推定量が平均治療効果として解釈できる点で,本研究の趣旨に合致するものである.
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