2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K11206
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
中川 重和 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (90248203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 博樹 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 教授 (50266920)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 標本歪度 / 標本尖度 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビッグデータ時代が到来し,高次元データの解析手法の開発は益々急務になっている.本研究では,高次元データの特徴を多変量正規分布に従うかどうかで捉えることとし,その判定法を構築する.そのための基礎理論をより強固にするためには検定統計量の正確表現を求めることが重要であるとの視点から,標本歪度および標本尖度分布の正確表現を与える(課題1, 2).さらに,最終課題を「標本歪度・尖度分布の正確表現に基づいた高次元データにおける正規性の検定」(課題3)と設定する.なお課題解決にあたり,研究業績3 (主成分に基づく多変量正規性の視覚的検定) ならびに研究業績5 (標本歪度・尖度の同時密度関数および同時モーメントの標本の大きさに関する漸化式表現) を積極的に活用する. 一昨年度から,超幾何関数を駆使して基礎理論を構築しようとしたが,思うように捗らず,そこで,フーリエ展開による近似表現にたどり着いた.これにより,標本歪度分布の確率密度関数のフーリエ展開表現を得ることができた.この成果は対外的な発表には至っていないが,モーメントによるフーリエ係数の解析的表現を与えることができた点で画期的である.昨年度は,SUT journal of mathematicsにおいて,タイトル Holonomic properties and recurrence formula for the distribution of sample correlation coefficient,Mura, H., Hashiguchi, H., Nakagawa, S. and Ono, Y.として論文発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度では,課題2である標本尖度分布の解析的(正確)表現を与えることを目標としていた.残念ながら,本目標を達成するには及ばなかったものの,フーリエ展開による近似表現が可能であることを発見し,標本歪度分布の確率密度関数においてその方法論の正当性を立証した.また,この方法は標本尖度分布の確率密度関数のフーリエ展開も与えることが分かった.
共同研究者との打ち合わせでも,本方向性が概ね正しそうとの認識が一致しているので,やや遅れていることも本年度中に取り戻すことが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,標本歪度および尖度分布の両方の確率密度関数のフーリエ展開に基づく近似研究を展開し,最終的に論文としてまとめていく予定である.
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Causes of Carryover |
昨年度6月中旬に2週間程度,病気療養のため,入院を余儀なくされた為.そのこともあり,研究が当初予定よりやや遅れている.しかしながら,この遅れを取り戻すためにも翌年度分として請求した助成金と合わせて使用したい.
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