2020 Fiscal Year Annual Research Report
Asymmetric fault-tolerant routing methods for NoCs with communication-function degradable routers
Project/Area Number |
18K11217
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福士 将 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50345659)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ネットワークオンチップ / 耐故障ルーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,通信機能縮退型のネットワークオンチップ(NoC)ルータの構成方式を解明し,これを用いた非対称なルーティングの実現方法を確立することを目的としている.以下の研究を通じて,従来研究では考慮されてこなかった非対称性なルーティングの実現性を実証し,その効果を検証した.本手法は,ルーティング法の設計における新たな考え方を提示するものであり,NoCの高性能化・高信頼化に寄与するものである. 1.非対称な耐故障ルーティング法の開発: 2次元メッシュ結合のNoCを対象に,通信装置であるルータにおいて,特定方向の通信機能が故障である,または,特定方向の通信は通過可能であるという条件下で,非対称な耐故障ルーティング法を開発した.従来法との性能比較により,パケット転送時の平均遅延を最大約97%削減可能なことを明らかにした. 2.通信機能の縮退を可能にするNoCルータの開発: 非対称なルーティングを可能にするNoCルータの構成を解明した.本ルータの回路設計を行い,従来法と比較して,回路量を約64%削減可能であることを明らかにした. 3.2次元/3次元NoCへの拡張: 2次元メッシュ向けに開発した手法を,2次元トーラス/3次元メッシュ結合のNoCに対応可能な手法として拡張した.本手法は,故障が存在する状況下でも100%のパケット到達率を保証可能であり,平均遅延を約79%削減可能であり,スループットを約21%向上可能であることを明らかにした. 4.実アプリケーションを用いた性能評価: 並列システム向けのNASパラレルベンチマークを用いて,本ルーティング法がアプリケーションの実行時間に与える影響を評価した.ベンチマークの1つであるISを用いた場合,従来法と比較して,実行時間を約27~50%削減可能なことを明らかにした.
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