2018 Fiscal Year Research-status Report
先進的な知識表現および推論技術を基盤とした多目的最適化ソルバーの研究開発
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18K11242
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
番原 睦則 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (80290774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 剛秀 神戸大学, 情報基盤センター, 准教授 (00625121)
田村 直之 神戸大学, 情報基盤センター, 教授 (60207248)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 解集合プログラミング / 多目的最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ASP の適用範囲を多目的最適化問題に拡張する試みとして,ASP 技術を基盤とした新しい多目的最適化ソルバーを実現することである.平成30年度の成果は以下の通りである.
多目的組合せ最適化問題を記述できるように既存のASP言語を拡張し,海外共同研究者・Torsten Schaub 教授の研究チームが開発した高速 ASP ソルバー clingo 上に多目的最適化機能を実装した.多目的コース時間割問題への応用研究を行い,未解決問題の最適値を決定するなど既存手法より優れた結果を得た.この成果の一部は,International Conference on Automated Planning and Scheduling (ICAPS 2018) で発表されている.
この他にも,系統的探索と局所的探索を組み合わせた探索手法として,LNPS (Large Neighborhood Prioritized Search) を考案し,ASPソルバー clingo 上に実装した.カリキュラムベース・コース時間割を用いた実験の結果,提案手法は最も大規模な問題 erlangen シリーズの5問について,既知の最良値よりも良い解を得ることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマ(A)--(D)について,それぞれ順調に進展している.平成30年度中に研究者が全員集まる全体会合を2回行い研究進捗状況について確認した.研究代表者・番原は,2018年12月に海外共同研究者・Torsten Schaub 教授の研究チームを訪問し,多目的最適化ソルバーの実装方法について議論を行った.
日本ソフトウェア科学会全国大会,人工知能学会全国大会オーガナイズドセッションなどで,研究分担者以外の研究者を含めた研究交流を行い,今後の研究推進方針について示唆を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)も,4名の研究者全員が参加する研究打合せを年2回開催する.ここでは,アイデア・実現技術の共有を主目的とし,進捗報告,研究意見交換,研究計画・方法に関する議論を行う.海外共同研究者については,研究代表者・番原と年1回研究打合せを行い,研究内容に対する助言・海外研究の紹介等を通じて本研究の推進に寄与する.また,本研究を進めて行く過程で新しく得られた知見・成果については積極的に国際会議,国内学会等で発表し,フィードバックを得る.
本研究では,(A)多目的最適化問題に対する言語拡張,(B)多目的最適化ソルバーの開発,(C)多目的最適化ソルバーの拡張,(D)特長的なアプリケーションの開発の4つの研究テーマについて研究開発を進めている.
平成31年度(令和元年度)は,(A)と(B)を完成し,(C)と(D)を開始する.(C)では,系統的探索と局所的探索を組み合わせた探索手法として考案した LNPS (Large Neighborhood Prioritized Search) を,(B)で開発した多目的最適化ソルバーに実装する予定である.(D)では,車両設計問題,ナーススケジューリング問題などを取り上げ,特長的なアプリケーションとして重点的に応用研究を行う予定である.
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Causes of Carryover |
研究代表者・番原が,平成30年10月1日に神戸大学から名古屋大学に異動したため,予定していた国内学会に参加できなかった.次年度使用額は国内旅費に使用する予定である.
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