2018 Fiscal Year Research-status Report
不揮発性メモリの特徴を生かした高速プログラム実行制御法の研究開発
Project/Area Number |
18K11244
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 秀夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70253507)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 基盤ソフトウェア / オペレーティングシステム / プログラム実行制御 / 不揮発性メモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的「揮発性メモリと不揮発性メモリが共存するメモリ構成、およびメモリとはアクセス単位が異なる外部記憶装置からなるシステム構成において、不揮発性メモリの特徴を生かし、実行プログラムの性質を考慮した高速なプログラム実行制御法を確立する」に向け、平成30年度は、以下の実績を得た。 (A)実行プログラムの新ファイル形式の考案:実行プログラムの性質(テキスト部は読み込みのみ、データ部は読み書き)を考慮したファイル形式として、格納する不揮発性メモリと外部記憶装置(DKおよびSSD)のアクセス単位とアクセス性能の特徴を生かす形式であるだけではなく、上位互換性がある形式(新形式と既存形式両方とも記述できる)であり、さらに、不揮発性メモリの搭載量に依存しないことも考慮した設計を行い、新たな実行プログラム形式としてOFF2F(Object File Format consisting of 2 Files)を提案した。 (B)OFF2Fの有効性評価:OFF2Fプログラム実行時の効果の定式化と分析を行い、仮想記憶機構の根幹を成すページ例外処理、およびFreebsdオペレーティングシステムの初期化処理 における有効性を明らかにした。 (C)実現評価環境の構築:不揮発性メモリの研究が進んでいるものの、まだ実用計算機としては登場していない。このため、先ず既存計算機を用いて不揮発性メモリを搭載した計算機環境のシミュレート環境の設計を行い、構築に着手した。 これらにより、順調に計画を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は、「平成30年度は、実行プログラムの新ファイル形式の考案、およびプログラム実行時の効果の定式化と分析を行い、有効性を明らかにする。平成31年度以降は、先ず、既存計算機を用いて不揮発性メモリを搭載した計算機環境のシミュレート環境を構築し、・・・」である。しかし、今回、平成30年度の計画内容に加え、平成31年度の計画の一部(既存計算機を用いて不揮発性メモリを搭載した計算機環境のシミュレート環境を構築)に着手することができた。このため、当初の計画以上に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗は「当初の計画以上に進展している」と判断できる。しかし、現在の計画では、不揮発性メモリを搭載した実用計算機の登場を平成31年度と予想しているが、若干遅れそうである。このため、既存計算機を用いて構築した不揮発性メモリを搭載した計算機環境を用いて、シミュレートをしっかり行い、不揮発性メモリを搭載した実用計算機を利用した方式の実装と評価の効率化を図ることとする。
|