2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Single-Level Storage System Capable of Utilizing Next-Generation NVRAM
Project/Area Number |
18K11245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
天野 浩文 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (80231992)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シングルレベルストレージ / 次世代NVRAM / SSD / HDD / ストレージ仮想化技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,次世代不揮発性メモリ(NVRAM)・半導体ドライブ(SSD)・ハードディスクドライブ(HDD)の3種類の記憶媒体の間で,アクセス頻度の変化等に応じてデータの自動再配置を行うシングルレベルストレージシステムの実装方式を確立し,その効果を確認することを目指している.このシングルレベルストレージシステムは,アクセスされていない間にも再配置を行う自律的・能動的な動作を必要とする.ところが,これまでのOSに搭載されてきた各種デバイスドライバは,呼び出されたときにだけ受動的に動作するルーチンとして構成されているため,ここに常時稼働する能動的な動作を組み込むことは容易ではない.また,迅速なプロトタイプ構築を行う上でも,OSの伝統的なデバイスドライバを改造することは効率的ではない. そこで,本研究では,ストレージ仮想化技術の一つであるiSCSI(internet SCSI)におけるターゲットのオープンソース実装であるtgtデーモンを改造することによってシングルレベルストレージシステムを試作することとした.また,DRAMによる主記憶の一部を用いてエミュレーションを行い次世代NVRAMの代わりとなる疑似ボリュームを実現した.令和元年度までに,3種類のメディアを統一的に扱うブロックアドレスマッピング機構,および,明示的な指示を契機としてデータブロックの再配置を開始するオンデマンド再配置機構を開発した. 令和2年度には,一定時間アクセスがなかったときに自動的に起動されるバックグラウンド再配置機構を実装し,予備評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度までに実装したオンデマンド再配置機構によるアクセス性能向上が約36%であったのに対し,令和2年度に実装したバックグラウンド再配置機構による性能向上は7~8%にとどまることがわかった.しかし,このような差異が2つの機構の本質的な違いから自然に生じるものであるのか,それとも後者の実装の不具合に起因するものであって改善が必要であるのかを解明するまでには至らなかった.このため,「やや遅れている」と判定した.
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Strategy for Future Research Activity |
前項で述べた2つの機構により実現されるアクセス性能向上の差異の原因を解明し,必要であれば改善を図る.また,これらの機能を備えたシングルレベルストレージシステムの,より現実的なアクセス負荷に対する性能の評価を行い,成果の公開を行う.
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Causes of Carryover |
研究代表者が抗がん剤治療を受けており,新型コロナウイルス感染症予防のため,令和2年度は一貫して在宅勤務で研究を行った.このため,やや研究に遅れが生じており,次世代NVRAMをマザーボード上のDIMMスロットに搭載した計算機など,各種実験用機材の購入を見送った.また,研究成果のとりまとめにもまだ時間を要するため,成果公開のための費用も発生しなかった. 令和3年度には,次世代NVRAMをマザーボード上のDIMMスロットに搭載した計算機などを購入し,研究の遅れを取り戻す予定である.また,成果公開も積極的に行う所存である.
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