2020 Fiscal Year Research-status Report
複数活動間の相乗効果を促進するためのシステム要求変更手法とツールの開発
Project/Area Number |
18K11249
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
海谷 治彦 神奈川大学, 理学部, 教授 (30262596)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 要求工学 / システム連携 / モデリング / CASEツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において複数の異なるシステムが連携しうるような要求獲得手法を確立した.この手法には以下の三つの利点がある.一点目は,連携を通して人間作業の効率性の改善や資源利用量の削減が期待できる.また,システムの開発コストも低減できる.二点目は,連携を通して,ステークホルダが従来,気づいていなかった要求項目の発見を促進できる.三点目は,システム間の相互貢献を高めることができ,いわゆるエコシステムを構築することができる.本年度の主な研究成果は,これらの利点を定量的に評価するためのモデル上のメトリクスを定義したことである.また,実際の連携事例にメトリクスを適用することで,その妥当性を確認することもできた.これは,2020年9月に英文で論文発表を行った. 実際に連携を模索するための開発ツールを既存のUMLモデリングツールの機能拡張によって実現した.このツールについても同様に2020年9月に英文で論文発表を行った.このツールをもとに,複数の業務モデル間のモデリング活動のログを記録し,それを分析するツールを開発した.ログ解析により,例えば,同時にモデリングされた箇所が連携の糸口となることを期待している.従来手法は連携の糸口自体を分析者の力量によって発見しなければならなかった.この点を支援することによって,より容易にシステム連携を模索することが可能となる.尚,活動のログはPythonのプログラムとGraphvizのライブラリによって可視化する機能までの実装は完成した.この成果も2021年度内には英文で論文発表をする予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数活動間の相乗効果を促進するためのシステム要求変更手法の評価と開発したツールの評価はほぼ完了した.しかし,コロナウィルスのため,国際会議等への発表を十分に行うことができなかったため,研究結果の公表は遅れている.よって,本来の2020年度までの計画を一年延長し,広く公表することをめざしている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究成果の公表を中心に実施する予定である.その準備のため,必要であれば評価実験の追試等も行う.
|
Causes of Carryover |
本来は国際会議で成果発表をする予定だったが,2020年度はその実施ができなかったため,次年度使用額が生じた.次年度に当初の目的である研究結果の公表のために使用したい.
|
Research Products
(5 results)