2018 Fiscal Year Research-status Report
多様な遅延要求に応えるインターネットアーキテクチャの創出
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18K11256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 克志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (90251719)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インターネット / ネットワークアーキテクチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、多様な遅延要求に応えるインターネット方式(LAWIN)の実現性・有用性を実装およびその評価によって、下位層のネットワーク基盤側および上位層のアプリケーション側の両側からのアプローチで実証することにある。初年度は多様な遅延に応えるパケットスケジューラの評価基盤の検証をおこなった。 LAWIN では IP パケット毎に異なる遅延要求情報が埋め込まれており、パケットスケジューラはその情報に従って EDF(Earliest Deadline First) で処理をおこなう。この EDF スケジューラが既存の FCFS (First Come First Served)スケジューラと同等の性能・コストを達成することが LAWIN の実現性を示すこととなる。そして、現在のネットワーク基盤はハードウェアで実装されており、あらたな機能もハードウェアで評価する必要がある。 我々は、EDF パケットスケジューラを FPGA 上に実装し、LAWIN の実現性を評価することとしている。本年度は、AWS (Amazon Web Services) が提供する FPGA インスタンス (AWS F1) 上にパケットスケジューラおよびトラフィックジェネレータを実装し、ハードウェアの評価基盤としての有用性を検証した。検証にあたっては、コスト・性能・開発環境の観点からハードウェア自己保有(オンプレミス)との比較もおこなった。 クラウド FPGA インスタンスはハードウェア実装のパケットスケジューラ評価基盤として十分な性能をもつこと、具体的には今日のインターネットバックボーン帯域、、100Gbpsクラス、のスケジューラ性能を確認した。さらに、クラウド FPGA インスタンスはコストおよびハードウェアを複数組み合わせるスケールアウトアプローチの容易さなどでオンプレミスを大きく凌駕した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初初年度に FPGA ハードウェアを調達し・パケットスケジューラの評価をおこなうこととしていたが、より高性能な FPGA の出荷が発表されたため、調達を翌年度に先送りした。 それに代えて同等の FPGA を搭載するクラウドサービスを利用し、当初の計画どおりの進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
FPGA ハードウェアの調達を2年目からおこなう。上位層からのアプローチに必要なトランスポート機能の設計をすすめる。
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Causes of Carryover |
当初想定していたものよりも高性能な FPGA ハードウェアの出荷が発表されたため、調達を翌年度に先送りした。 発表されたハードウェアは 2019 年度に出荷されており、調達をすすめていく。
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Research Products
(1 results)