2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K11262
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小島 英春 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (90610949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢内 直人 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (30737896)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モデル検査 / 状態爆発抑制 / 経路保証プロトコル / 無線マルチホッププロトコル |
Outline of Annual Research Achievements |
IoT技術の発展によって様々な種類の機器が無線を用いてネットワークに参加することが考えられる.その際に機器間の通信を行うために通信経路を構築することが重要となってくる.この通信経路を構築する通信プロトコルは様々な種類があるが,本課題では経路保証プロトコルを対象としている.通信プロトコルの1つである経路保証プロトコルは署名を用いて経路の正しさを保証することで,攻撃者により偽の経路情報がネットワーク流れたとしても正しく経路を構築することが可能となる.本研究は,そのようなプロトコルが正しく動作するかどうかを,モデル検査を用いて検証する.しかし,モデル検査の問題点である状態爆発を抑制する必要がある.その方法として,方法1:トポロジの同型判定を利用した状態数削減手法を用いて複数の状態を等価なものとして扱う方法,さらに,方法2:では方法1:の手法を署名を用いる経路保証プロトコルに対しても適用することによって状態削減を行うことで,モデル検査を可能にする.経路保証プロトコルでは,署名を扱うため,方法1:の状態数削減を行うことに加えて状態に含まれる署名情報も適切に扱う必要がある.方法1:によってトポロジが同型であったとしても,含まれる署名が異なるため署名情報も含めて複数の状態が等価であることを示すことが重要となる.2019年度では,方法1:の手法を開発しAODVやDSRなどに適用した結果を国際会議に投稿,発表を行った.また,検証対象である経路保証プロトコルの1つであるISDSRがどのように動作するか,どのような性能であるかについて実装・実験を行い,その結果を国際会議において発表し,投稿した論文誌に採択された.続けて方法2:に関する研究開発を進め,経路保証プロトコルに対して1:の手法を改良して適用することで,状態数の抑制が可能であることを示した論文を,2020年度に開催される国際会議に投稿し,採択され発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は,コロナ対策関連に多くの時間を費やしたため,本課題の進捗は芳しくなかった.しかし,2021年度では,2020年度に行う予定であった,これまで進めてきた研究をまとめて論文誌に投稿することを進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,当初の目標として,次の2点を行うことを予定している.1:トポロジに注目した状態数抑制手法を進め,AODVやDSRなどに適用する.2:署名に関する研究開発を進め,ISDSR など経路保証プロトコルを対象にし,安全性検証を行う. 2020年度までで1の手法と2の一部については完了しており,2の手法を完成させて,これまでの成果を論文誌に投稿する予定である.
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Causes of Carryover |
採択された国際会議の開催や,研究会が全てオンライン開催となったことにより,旅費として計上していた予算を利用することがなかったことや,投稿予定であった論文誌への投稿が2021年度にずれ込んだことにより,論文誌への掲載料が計上されなかったことが原因であると考えられる.
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