2020 Fiscal Year Research-status Report
放送通信融合環境における再生待ち時間を短縮するマルチキャスト配信技術に関する研究
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18K11265
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
後藤 佑介 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10551038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 康生 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (40324686)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放送通信融合環境 / 再生待ち時間 / スケジューリング / マルチキャスト / データ配信システム |
Outline of Annual Research Achievements |
放送通信融合環境において多くのモバイル端末に同じ映像データをリアルタイムに配信するマルチキャスト配信技術において、映像データ受信時の待機時間および再生中の途切れ時間で構成される再生待ち時間を短縮するスケジューリング技術を開発し、モバイルマルチキャスト配信の高性能化を図ると共に、スケジューリング技術を適用可能なモバイル端末向けの映像配信システムを開発し、有用性を評価した。具体的には、研究期間内に以下を明らかにした。 1.放送通信融合環境において受信時の待ち時間を短縮するスケジューリング技術 放送通信融合環境において、ネットワークに接続している端末同士が必要なデータを送受信する端末伝送型ストリーミング配信を用いてユーザの再生中断時間を短縮するShortest Extra Time considering User Behavior (SET-UB)法について、詳細な評価を行った。提案手法では、従来の放送方式と通信方式による配信とともに、提案手法では、従来の放送方式と通信方式による配信とともに、すべてのセグメントをもつ端末であるスーパーノードが端末間でセグメントをストリーミング配信することで再生中断時間を短縮する。提案手法を用いた評価では、既存手法と比較して再生中断時間を30%近く短縮できることを確認した。また、複数の評価項目に基づき、提案手法の有用性を確認した。 2.再生中の配信周期を考慮した分割放送型配信システム 提案システムでは、サーバが使用できる帯域幅に応じて配信する動画データの配信周期に基づいて最適な配信スケジュールを作成可能なスケジューリング手法を作成し、シミュレーション環境における評価を行った。評価では、帯域幅に応じた再生待ち時間、再生中断時間、および動画の平均ビットレートの変化を分析し、配信周期を考慮したスケジューリング手法の有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ再生時の待ち時間を短縮するスケジューリング手法を提案するとともに、スケジューリング手法の有用性を評価するモバイルマルチキャスト配信システムを実装し、評価した。また、期間中に、学術論文を1件、英語発表件数(査読有)を3件作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.動画データの配信周期を考慮したスケジューリング手法の実装および評価 既存手法であるWrapped Harmonic Broadcasting (WHB) 法では、複数のチャネルでデータの配信周期が短くなるように配信スケジュールを作成することで待ち時間を短縮する。一方で、WHB 法では、チャネル上でセグメントをスケジューリングしない時間帯が長大化し、待ち時間が長大化する。そこで、分割放送型配信において、動画データの配信周期を考慮したスケジューリング手法を提案してきた。提案手法では、WHB 法と同様に動画データの配信周期を考慮した上で、より多くのセグメントを配信できるようにスケジューリングする。また、既存研究に対して、スーパーノードを複数用いた場合のスケジューリングの評価が挙げられる。また、スーパーノード以外のユーザが他のユーザに対してセグメントを送受信できるデータ配信環境を構築する。 2.配信スケジュールの動的更新を考慮したモバイルマルチキャスト配信システム 配信スケジュールを動的に更新するスケジューリング手法を導入可能な分割放送型配信システムを評価する。提案システムでは、配信スケジュールの更新時に、更新前の配信スケジュールに基づいて、動画の再生ができるだけ途切れないように更新後の配信スケジュールを作成する。これにより、サーバはクライアントの動画データの再生状況を維持しながら配信スケジュールを更新できる。今後は実際のネットワーク環境を想定した評価を行う。
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Causes of Carryover |
国際会議での発表2件が次年度に延期となったため、海外渡航費について次年度使用額が発生した。国際会議での発表を次年度に行うことで、海外渡航費として使用する計画である。
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