2020 Fiscal Year Research-status Report
A Development of the Mobile Tiled Display on the Edge Computing Platform
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18K11266
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
近堂 徹 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90437575)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エッジコンピューティング / ストリーミング / 属性ベース暗号 / タイルドディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数の携帯デバイスを物理的かつ論理的に連携させたモバイルタイルドディスプレイ(MTD)の開発を行う。4K映像などの高精細ストリームを対象とし,リアルタイムストリーム制御や携帯デバイス連携制御(セキュアグループの定義,再生同期)にエッジコンピューティングを応用する。本システムの開発と実験的評価を通して,通信遅延や帯域変動等の外的要因に対する提案手法の効果や利用者に対する利便性・操作性への影響について明らかにする。 これまで「属性ベース暗号を用いたデバイスグループ管理の設計と評価」の研究開発を通して,MTDシステムにおけるエッジサーバ上での端末のグループ認可処理とストリーム分割処理を実現し,その有用性を示してきた。その一方で,グループを構成する端末の画面配置については考慮していなかったため,端末の性能・機能差やネットワーク遅延の差が端末の同期処理に影響を与え,MTDの品質を低下させる恐れがあった。そこで,端末特性やネットワーク特性を考慮して端末の画面構成を制御する手法を提案した。提案手法では,画面配置を決定するための指標として,通信の安定性を指標としてエッジサーバと端末間のジッタ値を利用し,端末の画面配置の優先度を決定する。端末配置の優先度は様々なアルゴリズムを採用することができるが,今回は安定的な通信が確保できている端末を中央に配置するように調整した。 実験では,まず本手法による処理オーバーヘッドを定量的に評価した。16台の端末でMTDを構成する際に既存のグループ認可処理に加えて,RTTの計測および画面配置制御を加えることによる時間の増加を計測し,処理時間としては許容できる値であることを確認した。また,被験者60名に対する視聴アンケートも実施し,表示する動画の特性によっても効果が異なるが,中心の動作が大きい動画において本手法による効果を実証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は,平成31年度までの成果をもとに,インタラクティブ機能のひとつとして「MTD端末画面構成に関する研究開発」を進めた。MTDを構成する端末群の端末特性やネットワーク特性を考慮して端末の画面構成を制御する手法を提案した。 設計および実装も完了し,評価実験では16台の端末を用いた処理オーバーヘッドの定量的評価および被験者60名に対する視聴アンケートも実施した。処理オーバーヘッドの評価では,本処理によるオーバーヘッドが許容できる値であることを確認した。また,視聴者アンケートでは表示する動画の特性によっても効果が異なるものの,本手法による視聴品質に対する効果を実証することができた。 以上の成果から,「MTD端末画面構成に関する研究開発」が達成できたと考えており,進捗はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021度は,最終成果の取りまとめて外部発表を行う。必要に応じて広域環境での追加実験やモバイルタイルドディスプレイを実現するためのエッジコンピューティング手法の応用展開について検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) コロナ禍の状況において,予定より外部発表および出張のための費用支出が少なくなったこと。また,一部の評価実験で既存計算機資源を活用して実施したことによるもの (使用計画) 外部発表および追加で必要な評価を行うためのPCを購入する予定である
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