2020 Fiscal Year Research-status Report
大規模社会ネットワーク分析におけるリンクの疎構造を利用した多項式時間解法の開発
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18K11271
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高野 知佐 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (60509058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會田 雅樹 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (60404935)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オンライン社会ネットワーク / ユーザダイナミクス / 振動モデル / ネット炎上 / 減衰振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,ネットワーク構造を表す行列の固有値・固有ベクトルを推定するネットワーク共鳴法に対して,効率的に固有ベクトルの符号を算出する方式を提案,評価してきた. 2020年度は以下の課題に発展させ,検討を行った. ・ オンラインソーシャル・ネットワーク(OSN)における炎上メカニズムの特性評価: OSNにおけるユーザ間の相互作用を表すモデルである振動モデルはOSNの構造を表すラプラシアン行列によって記述される.本研究課題では,ラプラシアン行列の固有値0の縮退によって引き起こされる炎上現象のメカニズムと特性を調査した. さらに数値シミュレーションを通じて固有値の縮退が発散を引き起こす可能性があることを明らかにした. ・ネットワークトポロジを反映させた経路選択コスト算出方法の提案:情報ネットワーク(NW)を取り巻く環境の変化に伴い,従来のNW制御では実現できない,柔軟な転送制御やNWリソース管理(負荷分散やQoS制御)手法が求められている.本課題では,NWリソースの有効利用や安定運用を目的に,リソースの負荷分散とデータ転送効率をNW性能指標として,これを向上する経路選択コスト算出法を提案した.また,提案手法をシミュレーション実験とNW制御システムのプロトタイプの実験により比較し,NW全体の負荷分散とデータ転送効率の向上の点でトポロジー反映手法が経路選択コストの算出法として有効であることを示した. ・ユーザダイナミクスの減衰における周波数依存性の考察:OSNにおけるユーザーの関心の段階的な衰退などの活動のダイナミクスは減衰振動モデルとして説明される.本研究課題では,振動モデルの周波数に対する減衰係数の依存性を調査し,OSN構造との整合性について考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の成果を発展させ,オンライン社会ネットワーク上での様々なダイナミクス(減衰,炎上)の発生メカニズムの考察,モデル化の提案を行うことができた. また,提案する振動モデルは,オンライン社会ネットワークだけでなく,情報ネットワーク制御技術にも応用でき,新たな展開先を確立することができた
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Strategy for Future Research Activity |
TwitterやFacebookなどのSNSから得られる実データを用いて,振動モデルの炎上,減衰効果の特性を調査する予定である.また,振動モデルにおけるノード特性およびリンク特性に多様性をもたせることで,ユーザダイナミクスにどのような効果があるのかを調査する.さらに,ネット炎上,エコーチェンバー現象といったOSN特有の問題を抑制する情報通信制御技術を確立する予定である.
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Causes of Carryover |
国内・国外で成果発表をする予定であったが,全てオンライン開催となり,渡航費が未使用となったため.
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Remarks |
成果,業績については,各HPの業績リストを御覧ください
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Research Products
(11 results)