2019 Fiscal Year Research-status Report
A Secure IoT Model which is based on Generalized Lightweight N Party Secure Function Evaluation
Project/Area Number |
18K11273
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 茂 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (40296322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 則郎 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (60111316)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | セキュリティ / 秘密分散 / 秘密計算 / 秘匿検索 / 軽量Nパーティ秘匿関数計算 / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで提案してきた「軽量Nパーティ秘匿関数計算」に対し文字列検索処理の拡張を行った.文字列検索のために,文字列のハッシュ化を行いその結果を分割・分散した.従来では整数値型のみであった秘匿関数計算のデータ検索を文字列型に拡張可能になった. 情報システムの設計者に対して,文字列を秘密分散されたまま検索可能なため, 利便性が向上する.また,検索にあたっていずれの場所でもデータを復元しないので,秘密分散のセキュアな状態の維持に繋がる. セキュアなIoTモデルのための基盤技術として,軽量3パーティ秘匿関数計算を一般化して適用可能な範囲を明らかにしたうえで,文字列検索を可能にし,秘密分散の実用性を高めることができた.この拡張によって,計算のみならずデータベース的な利用が可能になり,プライバシーを重視するデータの利用が可能になると期待できる. また本研究の応用を検討し,クラウドサービスに依存しない形で,永続的にデータを保管する仕組みとして,“デジタル寺院”:設計と開発へ向けて,デジタル寺院”:モデルと基盤技術の研究を実施した.この仕組みの検討のなかで,セキュアなデータ保管を実現するために,軽量Nパーティ秘匿計算が有効であること,クラウドサービスにデータを保存するだけでは,利用者の望むデータ保存ポリシーを実現できない可能性があることを示した. 更に,国際共同研究に「軽量Nパーティ秘匿関数計算」の利用を提案し, "Enforcing Methodological Rules During Collaborative Brainstorming to Enhance Results"の研究を日仏の共同研究者と実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度,軽量Nパーティ秘匿関数計算の一般化を達成し,今年度は文字列検索への拡張を達成した.また,研究成果の応用として,デジタル寺院の設計,開発,モデル,基盤技術の検討を行うと共に,国際的な展開を狙って,海外の共同研究者との研究のなかで本研究の応用が行えないかを検討してきた. 国際共同研究の成果はIEEEの国際会議で発表し,その成果については令和二年度の成果として査読付き論文として出版された.
|
Strategy for Future Research Activity |
セキュアなIoTモデルのための,軽量Nパーティ秘匿関数による,永続的にデータを保管できる,持続可能な情報処理システムの基盤技術の研究を推進する. 情報システムが社会の基盤技術となって久しいが,情報システムを維持するコストが課題になりつつある.クラウドシステムにすべてを集中させる情報処理システムのモデルは,クラウドサーバ側の施設維持,エッジ(末端)の情報システムからクラウドサーバへの通信路維持,セキュアであることを保つ点が多くなっている.そこで本研究で提案している「軽量Nパーティ秘匿関数計算」を基盤技術とするセキュアなIoTモデルを提案し,応用システムとして,持続可能な情報処理システムの基本モデルを提案する.
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的な流行により,当初,研究成果発表の場として予定していた国際会議が開催されなかった.これに伴い,研究成果を令和二年度に実施するために,翌年度分と合わせて国際的な研究成果発表へ使用する計画とした.
|