2019 Fiscal Year Research-status Report
不安定なアクセス状況下における自律的なデータ発見配備方式
Project/Area Number |
18K11276
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
水野 修 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (80508846)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報指向ネットワーク / 耐遅延ネットワーク / 減災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,災害等の不安定なアクセスネットワーク状況下において,情報指向ネットワーク(ICN)および耐遅延ネットワーク(DTN)をもとにしたネットワークで,予測されたデータについてキャッシュに配備する手法を確立することを目的とする,具体的には(1)データ発見・予測方法,(2)データ配備・キャッシュ方法,および(3)提案方式の検証から構成される. 令和元年度は,(1)については,データの持つ重要度を定義し,DTNにおいて重要度に応じて配信する方式について検討し,シミュレーションにより有効性を確認した,また重要度にも“鮮度”があることを考慮し,データ発生の時間経過により重要度を変動するモデルについても検討した, (2)については,昨年度提案した予備配信モデルはキャッシュにデータを予備配送するPush型であり,ICN本来の方式であるPull型のプロトコルとの一貫性が保てないという指摘があった.そこで,方式の改良を図りPull型のプロトコルで疑似的にPush型の動作を実現するプロトコルを開発した.また,輻輳回避のため経路制御方法についても検討した.これらはシミュレーションにより有効性を確認した. (3)については,情報通信研究機構(NICT)の開発したソフトウェアCCNルータCeforeを小型コンピュータに実装し基礎データを測定するとともに,提案方式を実現するためのプラグインプログラムを開発中である. これらの成果について,国際会議3報を含む14件を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要で示したように,令和元年度についてはおおむね順調に進捗している.昨年度開発した予備配信方式についての指摘事項については,方式を見直し改善を図ることができた.また,防災・減災の研究者との議論は継続して進めており,重要度分類などについて知見は検討に反映することができた.さらに,無人となる機器のセキュリティについては検討対象外であるが,今後センサやアクチュエータなどが対象になることと考えると重要な課題であることが明らかになった. 今後もこのような議論に基づき検討を進める
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は最終年度であるため,これまでの検討成果を可視化すること,およびより実用的なモデルでシミュレーションを行い実用上の有効性を確認する.また,新たな課題についてより具体化し,今後の研究計画策定を行う. 成果についてはより精度を高め,複数の査読論文として投稿する.
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Causes of Carryover |
既設の研究設備を活用したことや,新型コロナウイルスにより2020年の学会開催が中止となり旅費が執行されなかったことにより余剰が生じた. 今年度はすでに掲載が決まっている論文誌への掲載費をはじめ,その他論文投稿に注力し論文の添削費,掲載費として支出予定である.
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Research Products
(15 results)