2020 Fiscal Year Research-status Report
個別端末に最適化したパーソナルセルによる高速モバイルネットワーク
Project/Area Number |
18K11277
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大塚 裕幸 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (60594067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 実靖 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (50439262)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | モバイルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロセル内にピコセルをオーバーレイするモバイルヘテロジニアスネットワーク(HetNet)では,ピコセルサイズがすべてのユーザ端末に対して一義的であるため,一部のユーザ端末がピコセルに接続することにより通信品質が劣化するという問題を抱えていた.本研究では,その問題を克服すること,及びピコセルの無線リソースを有効に活用することを目的として,個々のユーザ端末の受信特性に応じて個々のパーソナルセルを形成する手法の検討を行った.具体的には,マクロ基地局の下り制御信号の測定から得られる全てのユーザ端末の受信SINRの累積分布から,個々のパーソナルセルを形成する適応制御型ピコセル拡張技術を提案し,その効果を検証した.また,マクロセルとピコセルの無線周波数が同じシングルバンドHetNetと周波数が異なるマルチバンドHetNetに対して適応制御型ピコセル拡張技術の特性評価を行った.さらには,ピコ基地局を中心としたクラスターサイズ内へのユーザ端末の配置の比率をパラメータとして特性評価を行った.特性評価は,高速ワークステーションを用いたシステムレベルシミュレーションにより行った.19のマクロセル,228のピコセル,1,710のユーザ端末を配置し,無線区間のフェージングが時間とともに変動する条件で大規模なシミュレーションを行った.システムレベルシミュレーションによる評価指標は平均と下位5%のユーザスループットとし,提案した適応制御型ピコセル拡張技術のユーザスループット改善効果を明らかにした. 関連する技術として,2GHz帯のマクロセルと28GHz帯のピコセルから成るHetNetにおいて,ピコセルをセクター化する手法について検討を進めた.オムニピコセルと3セクターピコセルを用いた場合の特性評価を行い,セクターピコセルによるユーザスループット改善効果をシミュレーションにより明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速ワークステーションを用いたシステムレベルシミュレーションプログラムの作成は順調であった.また,提案技術をこのシミュレーターに移植でき,評価指標であるユーザスループット特性が取得できるようになった.さらに,シングルバンドおよびマルチバンドHetNetの環境をモデリングできるようになった.従って,研究は順調であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションにおける,ピコセルの帯域幅,ユーザ端末の数,送信電力などのパラメータを変えて特性評価を行う.また,全てのユーザ端末の受信SINRの累積分布から個々のパーソナルセルを形成する手法に加えて,別の基準から個々のパーソナルセルを形成する手法について考察する.さらに,シミュレーション時間の短縮化を図るためシミュレーションプログラムの見直しを進める.
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Causes of Carryover |
国際会議,国内学会での発表がバーチャル(オンライン)になったため,予定していた旅費の支出がほぼなかった.旅費及びワークステーションの改造に使用する予定です.
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Research Products
(9 results)