2020 Fiscal Year Research-status Report
将来ネットワーク技術を用いた全光-無線融合ネットワーク設計
Project/Area Number |
18K11282
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
平田 孝志 関西大学, システム理工学部, 准教授 (10510472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 共孝 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20756382)
工藤 隆則 摂南大学, 理工学部, 講師 (80736695)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 将来ネットワーク技術 / 光ネットワーク / 無線ネットワーク / ネットワーク設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のInternet of Things(IoT)環境の爆発的な広がりに伴う多種多様なネットワークサービスを支えるための,新たな情報通信ネットワーク設計が重要な課題となっている.一方,ネットワークサービスの多様化に対応するため,エッジコンピューティングやSoftware-Defined Networking(SDN)等の将来ネットワーク技術が発展している.高品質なネットワークサービスを提供するためには,これら上位レイヤの技術を用いて,下位レイヤの無線ネットワークや光ネットワークといった伝送基盤の通信資源を最大限に活用することが求められる.本研究では,光-無線の利点を融合した伝送基盤と将来ネットワーク技術の相互作用を複数の観点から明らかにした上で,これらを統合した全く新しいネットワーク最適設計手法の確立を目的として,研究を遂行してきた. 2020年度においては,2018年度および2019年度に遂行した研究に基づく新たな課題の解決および拡張を行った.具体的には,エッジコンピューティングやSDNによる仮想ネットワーク構築といった将来ネットワーク技術について,新たな設計手法を提案した.エッジコンピューティング技術では,サーバ及び仮想マシンの配置手法の提案を,また,仮想ネットワーク設計では仮想ネットワーク機能配備とルーティング設計手法の提案を行った.さらには,将来の光ネットワークであるエラスティック光パスネットワークを対象として,省電力かつ周波数資源の有効利用を行うための最適設計手法の提案も行った.これらの成果は英文論文誌,国政会議,国内研究会等で多くの発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は当初3年計画であり,3年目においては,前年までにおいて取り組んだ基礎的な評価をもとに,新たな課題への取り組んできた.具体的には,SDNやエッジコンピューティングといった将来ネットワーク技術の拡張と,伝送基盤である光ネットワークのさらなる効率化を行った.しかし,2020年度は感染症の流行という理由もあり,研究だけでなく大学業務においても通常通りに進めるということができなかった.そのため,3年間で達成するはずであった新たなネットワーク設計手法の確立には至らなかった.ただし,2020年度において行った研究は,英文論文誌における掲載や,複数の国際会議や国内研究会において発表を行っており,やや遅れているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においては,これまでに行ったそれぞれの技術の研究について,これらを統合したネットワーク設計手法を検討・考察する.本研究課題で実現を目指す全光-無線融合ネットワーク統合設計において,ネットワーク資源を最大限に利用するためには,上位レイヤと下位レイヤの技術が互いに与える影響を考慮する必要がある.例えばエッジコンピューティング環境では,限られたサーバ容量の中でどのように仮想マシンを割り当てるかという課題が全光-無線融合ネットワークに与える影響を明らかにする必要がある.また逆に,全光-無線融合ネットワークにおけるルーティングや周波数割当が,エッジコンピューティング環境にどのような影響を与えるのかを検討する必要もある.その結果をもとに,ネットワーク統合設計を行う.2021年度においてはこれらの課題に取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
感染症の流行の影響等による問題で,当初予定していた研究計画通りに研究が進まず,またその成果発表が行えなかったためその分次年度使用額が生じた.その分は2021年度において研究成果発表のための国内旅費および論文印刷費のための費用として使用する予定である.
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Research Products
(9 results)