2018 Fiscal Year Research-status Report
Approximateネットワークによる高速性と計算精度の自動チューニング基盤
Project/Area Number |
18K11285
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
平澤 将一 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 特任研究員 (30436737)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Approximateネットワーク / 計算精度 / 自動チューニング手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ノイズ耐性の低い多値変調を用いることで広帯域を実現し、かつビット化けを訂正せずに放置することで低遅延を達成するApproximateネットワークの最適化基盤を探求している。 具体的には、Approximateネットワークを用いてアプリケーションを実行する環境において、正しく動作することを保証した上で高速に実行できるパラメータを発見する自動チューニング手法を提案している。 本年度においては、本自動チューニング手法の研究開発を進めた結果、256並列プロセスを用いた共益勾配法の並列計算において、932回および1099回の試行により、完璧な計算をした場合と比べて、必要となる精度を満たしつつ実行時間を約10%削減する高速な実行を実現した。これは、正しくない実行結果を出力するパラメータセットに対する探索を可能な限り少なくする自動チューニング手法が探索数を劇的に削減できるためである。 また、NPBベンチマークのCG、EP、FT、IS、およびMGに対して本手法を適用しチューニングした結果、各ベンチマークアプリケーションにおいて、高々2000回程度以下の試行回数で探索を完了できることがわかった。これはつまり、コードに関する特定の知識がない場合であっても、本手法をMPIアプリケーションに適用した場合に現実的な時間内に探索を終了することが可能であることを示している。以上から本提案手法が、コードに関する特定の知識がないアプリケーションに対しても適用可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、提案する自動チューニング手法の研究開発を進めた結果、完璧な計算をした場合と比べて、必要となる精度を満たしつつ実行時間を削減できることがわかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるため、計画の大幅な変更を必要としない。 今後は、当初計画の通り、令和元年度に著名アプリを包含する探索手法を開発し、令和2年度に統合する。 以上により、Approximateネットワークにおいて、アプリケーションが許容範囲内の精度で実行することを保証する極めて重要な技術である自動チューニング手法を完成させる.
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Causes of Carryover |
謝金の支出先として予定していた雇用者によるアプリ対応作業は、研究代表者自身が実施することがより適切であると判明したため、雇用を見合わせた。一方、令和元年度に予定している探索方法の開発作業については、多数のアプリケーションに対して多数の探索手法によるチューニング結果を評価することが必要であることがわかったため、効率的に評価作業を進めるために、専用の計算機を導入する予定である。
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