2019 Fiscal Year Research-status Report
Approximateネットワークによる高速性と計算精度の自動チューニング基盤
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18K11285
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
平澤 将一 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 特任研究員 (30436737)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Approximateネットワーク / 計算精度 / 自動チューニング手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ノイズ耐性の低い多値変調を用いることで広帯域を実現し、かつビット化けを訂正せずに放置することで低遅延を達成するApproximateネットワークの最適化基盤を探求している。具体的には、Approximateネットワークを用いてアプリケーションを実行する環境において、正しく動作することを保証した上で高速に実行できるパラメータを発見する自動チューニング手法を提案している。 自動チューニングにおける各試行には一般に性能揺らぎがあり、揺らぎを含む試行性能を使用してチューニング結果を決定すると、チューニング結果にも揺らぎが発生する。ここから必然的に、本来求めたい最適なパラメータセットを発見できない恐れが発生する問題が生じる。実際NPBベンチマークのCGおよびFTにおいて、探索を打ち切るまで実行を行ったとしても手動で発見した最適化パラメータを発見する割合が高々40%程度となる場合が存在することを発見している。 そこで本年度においては、一定数の試行を行うことで標本平均を取得し、取得した標本平均を用いて、母平均を予測する区間推定を用いた探索手法を提案した。2個のパラメータセットによる実行性能の比較には、取得した標本値ではなく、複数回試行することで計算された信頼区間同士を用いて大小関係を決定する。信頼区間を狭めるために試行回数を増加させることで信頼区間の大小関係を決定できる一方、試行回数が増加することで最適化に要する総実行時間が増加するトレードオフが存在する。 評価の結果、探索対象においては狭い95%信頼区間を用いた場合に試行回数が少なく、かつより高い割合で最適パラメータセットを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、提案する自動チューニング手法の研究開発を進めた結果、NPBベンチマークなど著名アプリに対して、性能揺らぎに対応できる探索手法を開発できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいるため、計画の大幅な変更を必要としない。 今後は、当初計画の通り令和2年度に、開発した探索手法を自動チューニング基盤に統合する。 以上により、Approximateネットワークにおいて、アプリケーションが許容範囲内の精度で実行することを保証する極めて重要な技術である自動チューニング手法を完成させる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス対策により学会参加旅費の支出が減少した。 また探索方法の開発作業について、性能揺らぎに対応する探索手法が予想より有効に働いたことにより、評価の規模が当初予定より小さく、専用の計算機ではなく既設の資源を使用することができ購入を延期した。 令和2年度において、効率的に自動チューニング手法の評価作業を進めるために、専用の計算機システム一式の導入および評価実験補助で謝金の支出を行う予定である。
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