2018 Fiscal Year Research-status Report
マルチレイヤリバースプロキシによる分散キーバリューストアへのトランザクション実装
Project/Area Number |
18K11324
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 啓志 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00219396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 龍太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00710328)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DPDK / 分散KVS / cassandora / 分散トランザクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来のD-KVSの特徴であるクライアントからの要求を全てのDBノードで受信・問い合わせ処理を行う方式を大転換し、少数のリバースプロキシで受信し、レイヤ2、4を跨いだパケットの纏め上げを行うことにより、(1)パケット数の削減によるスループットの向上 (2)リバースプロキシにコーディネータ機能を持たせることによるトランザクション処理、排他制御の実現、を実現する。本研究は以下の3つのプロジェクトに分けて行う。 プロジェクト1:我々はすでに、SDNの研究において、INTEL DPDKを用いたL2レベルでのパケット纏め上げ手法を提案し、10Gbpsインターフェースでのワイヤーレート通信を実現した。しかしこの手法は単にL2レベルでパケットを纏め上げるのみであり、本研究の主題であるマルチレイヤでのパケット纏め上げを行う場合は、パケット内の情報(セマンティックス)にまで踏み込んだ解析が必要となる。本プロジェクトでは、L2でのレイヤ選択アルゴリズムについて検討する。 プロジェクト2:このプロジェクトでは、D-KVS上での、排他制御・トランザクション機能を実現するために、データベースクエリー解析によるパケット纏め上げ、およびリオーダリング・アウトオブオーダ手法について検討する。我々はすでに、PostgreSQL+PGpool-IIを用いて、データベースリプリケーション時に複数の一貫性制御を行う手法を提案している。その際のデータベースクエリー解析の手法を元に、このプロジェクトを遂行する。 プロジェクト3:このプロジェクトでは、単一故障点がないというD-KVSの利点が、提案手法では失われることに対する対応策について検討する。最初の検討として、ポートミラーリングハブによるパケット同時受信による同時処理と分散合意プロトコルPAXOSによる協調システムによる実現を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、まず同一データベースに配信されるパケットを纏め上げる、さらには各キーにロックを掛けるプロキシの実装を行った。このプロキシは、以下の特徴を有する。 (1)INTEL DPDKを用いて、10Gbps以上のスループットを実現した。 (2)プロキシ自体を複数のスレッドに分解し、メニーコアプロセッサでスケールアウトすることを確認した。その結果、10Gbpsネットワークの限界性能と同等の約8Mqueries/sec)の速度を実現した。 (3)プロキシを用いたロックを実現した。その結果従来のpaxosベースのcassandoraに比べて、約50倍高速化可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として以下の2つが挙げられる。 1)現在は、各キーを対象としたロックのみを実装しているが、今後はトランザクションの実装を行う。 2)本手法の最大の問題点である、proxyが単一故障点であることを克服するために、proxyの多重化を行う予定である。この多重化について2つの手法を検討する。まずはロードバランサを前段に配し、2つのアクティブアクティブproxyを実装する。問題点としては、トランザクション情報の安全な共有であるが、paxosベースのプロトコルを考える。2つめとしてアクティブスタンバイ実装を検討する。こちらは、トランザクション情報を同期する必要はなく、同期もしくは非同期にスタンバイ側に転送する方式をを検討する。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、従来の機器1台を用いて、単一プロキシーでの高速化実装を行った。来年度は、トランザクション及び分散トランザクションの実装を行うために、高速サーバを購入する予定である。
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Research Products
(3 results)