2018 Fiscal Year Research-status Report
広域仮想計算機基盤のためのNFVテストベッド構築に関する研究
Project/Area Number |
18K11326
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
市川 昊平 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90511676)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 広域計算環境 / クラウドコンピューティング / NFV / SDN |
Outline of Annual Research Achievements |
仮想計算機技術の発達により、地理的に分散する大学や組織が提供する計算機資源をソフトウェア制御技術により動的に多数確保し、仮想計算資源を共有するマルチサイト・クラウド実験基盤の構築技術は成熟しつつある。また、これら広域に分散する仮想計算機基盤を結合する仮想ネットワーク技術も研究開発が進み、SDN (Software-Defined Networking)を基盤としたネットワークの実験基盤も整いつつある。しかしながら、仮想計算機と仮想ネットワークを統合した形であるNFV (Network Function Virtualization) 技術を広域環境上で評価可能とするテストベッド構築技術は未確立な状態である。そこで、本研究では、広域に分散する仮想計算機基盤およびそれらをつなぐ仮想ネットワーク上において、動的にNFVに関する実証的研究を可能とする国際的なNFVテストベッドの構築を目指し、研究開発に取り組んでいる。 初年度にあたる当該年度は、1) 国際OpenFlowネットワークと仮想計算機基盤の相互接続環境の構築と2) NFVの実証的評価環境のオーケストレーション技術の確立に取り組んだ。具体的には、異なるドメイン間で動的にネットワークを配備するオーケストレーションツールとして標準化が進んでいるNSIサービスを活用し、NIIのL2VPNを制御し、動的に日米間のSDNバックボーンを構築するシステムの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、研究期間を通して、1) 国際OpenFlowネットワークと仮想計算機基盤の相互接続環境の構築、2) NFVの実証的評価環境のオーケストレーション技術の確立、 3) 提案NFVテストベッド基盤上での実証的評価という3つのマイルストーンを設定して進めている。当該年度では、研究計画通り、1) 国際OpenFlowネットワークと仮想計算機基盤の相互接続環境の構築と2) NFVの実証的評価環境のオーケストレーション技術の確立に取り組みつつ、3)の実証実験の準備を進めている。そのため、概ね当初の計画通り研究開発が推移していることから、順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は当初の研究開発通り、順調に研究開発が進展しているため、次年度以降も計画通り進める予定である。 次年度は本年度に構築したNIIのL2VPNを用いた動的なSDNバックボーンを確立するオーケストレーションツールを用いて、日米間の国際回線上においてマルチパス環境を構築し、マルチパスを活用した実証実験を実施する計画である。そのために、大阪大学の研究者と協力し、マルチパス環境上でのルーティングを最適化するNFVの実証実験に関して議論を始めている段階である。
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Causes of Carryover |
本研究では、広域分散環境を構築する上で、実証のための物品の購入を計画していたが、当該年度は既存の学内資産を利用することで一部の目的が達成可能であったため、物品費を抑えた。 また、当該年度に予定していた国際会議発表の開催時期が次年度に延期されたため、未使用額が生じた。 当該年度未使用分の物品費は次年度においてより大規模な実証環境構築および実験に利用する計画である。また次年度に開催が延期された国際会議において成果発表を行うことで、旅費も利用する計画である。
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Research Products
(9 results)