2020 Fiscal Year Research-status Report
粒子シミュレーションによる左心室から大動脈への血流の可視化と圧力変化の検証
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18K11330
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| Research Institution | Tokyo City University |
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Principal Investigator |
向井 信彦 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (20350233)
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2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 物理シミュレーション / コンピュータグラフィックス / 可視化 / 医工学 / 粒子法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和２年度は令和元年度に行ったシミュレーションの再検討を行った。令和元年度において、左心室から大動脈への血流シミュレーションとシミュレーション結果に基づく左心室及び大動脈内における圧力の可視化までは行ったが、左心室及び大動脈内における圧力値は文献値に比べて高い値を示していた。
そこで、令和２年度は僧帽弁と大動脈弁との連動動作を行うことで、より多くの血液が左心室から大動脈へ流れるようにする機構を構築した。この機構を実現するために、シミュレーションモデルに僧帽弁口を設定すると共に、シミュレーションモデルの材質及び長さを変更した。従来のシミュレーションモデルでは左心室を剛体として構築していたが、これでは左心室における圧力の変化に応じた血液の流れを充分シミュレーションできないため、左心室モデルを剛体から弾性体へと変更した。一方、大動脈は人体内における最も太い血管であり、大きくは変形しないことから剛体のままとして材質は変更しなかった。しかしながら、これでは左心室から大動脈へ充分な血液が流れないため、充分な血液が流れる流路を設定するために、大動脈の長さを延長してモデルを構築した。
このようにして変更したモデルを用いて血流シミュレーションを行うことで、左心室及び大動脈内の圧力は文献値に少し近づいた。特に、大動脈内における圧力は文献値にかなり近づいたが、左心室内の圧力はそれほど文献値に近づかず、依然として高い値を示していた。これは未だ左心室から大動脈へ充分な血液が流れず、依然として左心室内に血液が残留していることが原因であると考えられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は本研究の最終年度であるため、シミュレーションを完成し、研究成果を多くの学会で発表する予定であったが、新型コロナ禍の影響で大学へ自由に入構することができなくなった。特に、研究協力者である学生の入構はかなり制限されたため、シミュレーションモデルの変更などは自宅でも作業することが可能ではあったが、粒子シミュレーションは大学に設置されている高性能PCを使用しなければならず、研究が予定よりも少し遅れた。さらに、研究成果を発表する予定であった学会の開催も中止や延期を余儀なくされたため、充分な研究成果の発表を行うことができなかった。このために、本研究期間の延長を申請した。
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| Strategy for Future Research Activity |
左心室から大動脈への血流シミュレーションにおいて、大動脈内における圧力値は文献値に近づいているため、左心室内における圧力値が文献値に近づくような手法を考案する。現在のモデルでは左心室を弾性体、大動脈を剛体としているため、左心室の剛性を変更したり、あるいは大動脈の長さを調整したりしてシミュレーションを行い、結果について考察する。さらには、大動脈も剛体ではなく弾性体に変更してモデル構築を行うことも検討する。
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| Causes of Carryover |
新型コロナ禍の影響で発表を予定していた学会が中止や延期を余儀なくされ、研究成果を多くの学会で発表することができなかったため、今年度は研究成果を多くの学会で発表するために予算を使用する計画である。
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