2018 Fiscal Year Research-status Report
超並列において高スケーラビリティを実現するステンシル計算・通信モデルの開発
Project/Area Number |
18K11336
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深沢 圭一郎 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (50377868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 並列計算 / 高性能計算 / MHDシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近い将来に実現されるエクサスケール環境においてウイークスケーリング(並列度が上がっても1並列当たりの計算量は変化しない)とストロングスケーリング(並列度が上がるにつれて、1並列当たりの計算量が減少する)共にスケーラビリティ減衰が無いステンシル計算・通信モデルの開発、及びそこで利用される袖(Halo)通信関数の開発を行うことを目的としている。 H30年度~31年度にスケーラビリティを高く維持できるステンシル計算・通信モデルの開発を計画している。そこでH30年度では、まずステンシルシミュレーションにおいて、「計算」と「通信が必要な計算と通信(通信データのパック・アンパックも含む)」にスレッドを分けるモデルを開発した。このように分割すると、通信が終わったことを知るための同期の必要無く、並列性能劣化を回避することができる。ステンシル計算で通信が必要な場所は、主に領域分割に伴う通信である。あるプロセスで計算を行う場合に、周辺プロセスが持つ値が必要となるため、その値「袖(Halo)領域」を転送する必要がある。このHalo領域を利用する計算とHalo通信を一つのスレッド(Haloスレッド)に割り当て、その他の計算を別のスレッドに割り当てる計算モデルとなっている。 このモデルを、研究代表者が開発している電磁流体力学(MHD)コードに適用し、その性能を評価した。その結果、ストロングスケールにおいて、高い並列度においても、並列化効率が落ちにくく、性能向上が確認できた。従来の並列計算モデルでは、同並列度において、計算性能の向上が見えない(計算性能が飽和している)ことも確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した年度ごとの研究実施項目とほぼ同様の研究(HaloスレッドをMHDシミュレーションに適用する)を実施できたため。他モデル(Vlasovシミュレーション)への適用まで実施できていれば計画以上の進捗と言えた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在順調に研究が進んでいるため、このまま研究を進める。H31年度では、他モデルへのHaloスレッドの導入とHalo関数の開発を進める計画となっている。Halo関数へはエクサスケール向けの通信ライブラリーを導入する計画であり、実装において想定外のことが起きることも予想されるため、早めに開発に着手できるようにする。
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Causes of Carryover |
分担者との打ち合わせが、日程の都合により研究代表者が、分担者先に行き、打ち合わせを行うことになったため。来年度は分担者が、研究代表者のところへ訪問し、打ち合わせを行うことでこの額を執行する予定である。
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Research Products
(5 results)