2020 Fiscal Year Research-status Report
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18K11341
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
長嶋 利夫 上智大学, 理工学部, 教授 (10338436)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計算力学 / 異種材界面 / J積分 / XFEM / 領域積分法 / クラッド鋼 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに開発した三次元拡張有限要素法(XFEM)解析プログラムNLXFEM3Dstrctの実行を制御するプログラムを新たに開発し,異種材界面を含む構造物の疲労き裂進展解析が実行可能な解析システムを構築した.開発した解析システムはXFEMに基づいているため,1種類の有限要素モデルを準備するだけで良い.また,材料毎に異なる疲労き裂進展則(パリス則)を与えることができる.さらに,領域積分を実施するための積分領域が異種材界面に重ならない範囲で,それぞれの単一材料領域において応力拡大係数(K値)を算出し,それらの値を外挿することによって,異種材界面近傍における応力拡大係数(K値)を評価する.本システムを,異種材界面を含まない低合金鋼,クラッド材,および異種材界面を含むクラッド鋼材のCT試験片についての疲労き裂進展解析に適用した.解析結果については,別途実施している試験結果と比較を実施した.
一方,三次元伝熱XFEM解析プログラム:NLXFEM3Dheatと三次元熱応力XFEM解析プログラム:NLXFEM3Dstructを開発した.開発プログラムの定式化および検証結果について英文論文を執筆し,学術雑誌に投稿し採択された.
開発システムを用いて、異種材界面を含むクラッド鋼材のCT試験片を対象とした疲労き裂進展解析を実施し,き裂進展挙動について解析結果と試験結果を比較することによって妥当性の検証を実施している.現段階において,進展挙動が解析結果と試験結果に差異が認められるために,その原因について調査を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
妥当性の検証を除けば、ほぼ予定通り
研究に必要な定式化、基本ソフトウェアの開発整備は終了した.開発したプログラムおよび解析システムを用いてクラッド鋼材のCT試験片を対象としたき裂進展解析を実施し,その結果を試験結果と比較することにより,解析の妥当性の検証を試みている.しかしながら,満足のいく検証結果は得られておらず引き続き試行錯誤しながら条件を変更した解析作業が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
CT試験片を対象としたき裂進展解析について,妥当性の検証を完了させる.比較する試験に用いる材料物性値を再度計測し,そのデータを用いて再解析を試みる.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で成果発表のための国際学会、国内学会への出張予定が中止になったため.2021年度は,成果発表の方法を見直すとともに,妥当性の検証作業を一層進めるために、アルバイト謝金,外注費などの支出に振り替えることも検討する.
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