2020 Fiscal Year Research-status Report
A multiprecision numerical renormalization group method applied for prime factorization
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18K11344
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| Research Institution | Sojo University |
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Principal Investigator |
齋藤 暁 崇城大学, 情報学部, 准教授 (70513068)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 行列積状態 / 多倍長精度計算 / 量子回路 / 古典シミュレーション / 密度行列繰込群 / 素因数分解 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は当初の目的どおり、合成数の素因数分解問題が古典計算機上で数値繰込群の手法により高速に解けるか否か数値的および理論的に評価することを目指している。昨年度（2019年度）までに、数値実験用のクラスタマシンを構築し、多倍長精度の時間依存密度行列繰込群ライブラリの並列化実装を相当に進めることができた。また、超高精度計算が量子アルゴリズムの数値繰込群によるシミュレーションに必要であることに十分な裏付けがとれたと考えている。
今年度（2020年度）は計画どおりであれば、より大規模な量子素因数分解回路を数値繰込群でシミュレートした場合の計算資源の消費について大量のデータを蓄積し、ボトルネックの有無とその特定をするはずであった。しかしながら、新型コロナウイルス流行に起因する大学内の情報センター関連業務の過多によって研究代表者が研究時間を取れない状況となり、数値実験の進捗はほとんどなく、これまでの蓄積データを使った論文執筆すらできなかった。今年度の実績としては、数値計算ライブラリの中で一見して並列化できない箇所についてもWavefront Pattern方式で可能な限り並列化の恩恵が受けられるように再構築を行った点のみが挙げられる。ライブラリのアップデート部分だけでも論文の形にまとめるべきであったが、年度内にそれも叶わなかった。積み残した多数の課題は最終年度である2021年度に持ち越しとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は年度当初の計画では、数値実験に用いるシミュレーションライブラリの全体的な並列化効率を高めること、数値実験データを蓄積して解法自体の計算量を明瞭にすること、および、巾乗剰余回路のシミュレーションコストの理論解析と写像としてのデータへの作用の数理的な解析を目標に掲げていた。
しかしながら、研究実績で述べたように外部要因による職務上の業務過多によって、達成できたことが数値計算ライブラリの並列化の部分的な工夫にとどまった。また、前年度までに蓄積したデータやライブラリの開発状況について論文として残すべきであったが、執筆ができなかった。
以上のように進捗は大幅に遅延した結果となった。ただし研究の計画や方向性が誤っていたのではなく外部的な要因による遅延であるので、計画の変更は考えていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本課題の最終年度となるが、2020年度の計画分をまず年度前半に実施する。すなわち、これまでに並列化部分を増やしてきた数値繰込群ライブラリを使って量子素因数分解のシミュレーションを引き続き行い、データをさらに蓄積する。そして量子回路サイズに対して所用CPU時間をプロットした際に並列化効率の寄与と解法自体の計算量を適切に分離して解析を行う。また、蓄積データの解析から解法のボトルネックを探し出して理論的に解法の計算量の裏付けをする。
年度後半は年度前半の解析結果を元に論文を執筆し、数値繰込群による素因数分解について新たに得られた知見を公表したい。特に、当初の実施計画で掲げていた、量子素因数分解の量子回路のうちmodular multiplicationとmodular exponentiationの回路構造のどの部分が数値繰込群によるシミュレーションコストを支配しているのかを明らかにすべく行ってきた、数値実験と理論解析の両面からの議論の帰結を目指す。
仮に2022年2月時点で進捗状況と当初計画で掲げた目標との差異が大きくなった場合には、翌年度には職務が正常化して研究の進捗が見込めることから、補助事業期間延長承認申請書の提出を検討する。
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| Causes of Carryover |
前述のように、2020年度は外部要因により研究代表者の兼務業務である総合情報センター関連業務が増大して研究時間が取れない状況であったため、学会発表と論文執筆が滞りその分の予算を使用しなかった。2021年度に繰り越した分は、国際会議の参加費、論文出版費用、クラスタマシンの保守部品の購入費用に充てる予定である。計算実験の実施状況によりスーパーコンピュータの利用枠追加費用に充てる可能性もある。
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| Remarks |
開発中のソースコードは、ライブラリのウェブサイトからリンクしているGitレポジトリに置いている。
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Research Products
(2 results)
