2019 Fiscal Year Research-status Report
Super-resolved measurement for high-definition camera
Project/Area Number |
18K11349
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
西 一樹 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (00208125)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カメラ評価 / 解像度測定 / 振動測定 / 超解像 / MTF / 斜めエッジ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、画素間隔以下の高精度な解像度測定法の開発および測定ツールとしての実装を試みるとともに、三脚・シャッター振動測定および片ボケ測定への応用を目的とし、本年度は以下について実施した。 斜めエッジ法の高精度化: 画像行間の位置ずれを周波数領域での連立方程式として表し、その最小二乗解よりエリアシングを取り除くことでナイキスト周波数を超えるMTF推定が可能な方法を開発した。国際標準準拠の従来法に比べて少ない画像行数で高精度な推定が可能なことを、既知のボケが付与可能なシミュレーション画像(前年度開発)により確認した。これはディストーションを伴う画像への適用に有利な性質である。さらに、画素データの読み取り方向の直交化によりナイキスト周波数を超えるMTF推定が可能な手法についても検討した。 三脚・シャッター振動測定への応用: 前年度において、レーザー干渉変位計を用いてカメラ撮影時のシャッター振動を測定し、カメラや三脚各部の振動が画像に及ぼす影響について調べた。これに対し本年度は、三脚およびカメラの精密な3Dモデルを作成しこれに有限要素法を適用することで理論モード解析を行った。これにより三脚のエレベータ部分は低周波側,脚部分は高周波側に振動を有し、特にエレベータ部分の振動が支配的であることが数値解析でも明確になり、撮影画像やレーザー干渉変位計での測定結果と一致することが確認できた。 液晶ディスプレイによるテストチャートの実現: カメラ評価のためのテストチャートとして、任意のチャートを容易に切り替え提示可能な液晶ディスプレイを利用する方法を検討した。テストチャートの輝度値と撮影後の画素値の間で線形性を実現するための輝度値補正法、液晶ディスプレイの画素構造を打ち消すための処理法を開発し、カメラ測定への応用としてコントラスト測定が可能になることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「斜めエッジ法の高精度化」については、前年度の内容をさらに進展させ2つの新たな手法を開発した。「三脚・シャッター振動測定への応用」については、撮影画像やレーザー干渉変位計による振動測定実験だけでなく、新たに3Dモデルによる振動シミュレーション解析を実施した。これらは当初の計画以上の成果である。「液晶ディスプレイによるテストチャートの実現」については、申請時の計画では液晶ディスプレイを動画テストチャートとして利用することを想定していたが、ディスプレイが有する輝度の非線形性や画素構造がカメラ測定に大きく影響することがわかったため、その対処策と有効な応用法について検討した。これは当初の方針を変更した部分である。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに開発した斜めエッジ法の計算アルゴリズムは測定画像領域の局所性向上など有利な性能を有するが、ノイズ対策について改良の余地があるため引き続き検討する。これまでの成果を踏まえて最終年度では、片ボケの原因となる光軸歪みを高精度に測定する方法について検討する。また当初の計画にはないが、車載カメラや監視カメラなどの超広角画像に対する評価技術の必要性が急速に増していることから、ディストーションが大きい場合の解像度測定についても可能であれば検討する。
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Research Products
(3 results)