2019 Fiscal Year Research-status Report
フォトニック結晶型フィルタアレイと圧縮センシングの融合による分光偏光イメージング
Project/Area Number |
18K11368
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
篠田 一馬 宇都宮大学, 工学部, 准教授 (50639200)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 画像 / マルチスペクトル / カラーフィルタ / 色補間 / 偏光 / 圧縮センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フォトニック結晶と圧縮センシングの融合により,対象物の分光画像と偏光画像を同時にワンショットで取得できる撮像系の実現を目指す.提案法では,フォトニック結晶を用いたフィルタアレイを従来のモノクロCCDに搭載することでグレイスケール画像をワンショットで撮影し,その画像からL1ノルム最小化による復元問題を解くことで,様々な波長情報と偏光情報を復元する.本研究期間では,フィルタ感度と復元手法の双方を圧縮センシングに基づき新たに開発し,計算機上でワンショット撮影画像から無偏光分光画像,直線偏光強度画像,RGB画像を復元可能であることを示すとともに,16バンド4偏光角度を想定した上で,それらの復元誤差を5%以内に収めることを目標とする. 本年度は,前年度に設計したフィルタアレイ構造に基づき,フォトニック結晶型フィルタアレイの試作製造を行った.電子線描画,エッチング,スパッタリングの結果,画素ごとに波状構造が異なる分光偏光フィルタアレイを実現している.また,フィルタアレイの感度設計において,近赤外領域を含む波長帯もその感度独立性を考慮することで,近赤外の狭帯域スペクトルの復元が可能であることを確認した.画像復元に関しては,L1ノルム最小化による復元問題を解くことで,エイリアスを抑制しつつ良好な復元画像が得られるデモザイク法を開発した.本年度の成果はIEEE Transactions on Image ProcessingおよびApplied Opticsに採択され,さらに当論文はSpotlight on Optics(OSAの注目論文)に選ばれた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分光偏光フィルタアレイの試作製造およびデモザイク処理の開発を当初の予定よりも早く実施しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続きフィルタアレイの試作製造およびL1ノルム最小化によるデモザイク手法の改良を進め,実機における感度制約を明確化した上で,復元画質の向上を進める.前年度から実機の試作製造を進めているが,理論値からの誤差が少し大きいため,その原因についても検討を進める.具体的には,入射光の入射角依存性,透過光量の小さい波長帯における補正,クロストーク対策について,主に検討を行う.実機における感度検証を行えるようになったことから,実機を考慮した復元手法の開発も視野に入れて検証する.
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Causes of Carryover |
感染症対策に伴い3月に予定していた出張(NIMSおよび諸学会)が延期となったため,次年度使用額が生じた.本費用は,次年度に出張が可能になり次第,順次使用する予定である.
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Research Products
(2 results)