2018 Fiscal Year Research-status Report
画像処理を用いた津波浸水予測ハザードマップ作成と避難経路案内システムの構築
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18K11374
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯國 洋二 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80168054)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 土地利用分類 / FCN / 粗度係数 / テクスチャ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.テクスチャ解析に基づく土地利用分類 衛星画像において,居住区は複雑な建物の繰り返し,森林域は類似の樹木の繰り返し,田畑やグラウンドなどの平坦域は低周波の領域の繰り返しで構成されたテクスチャ領域と見なすことができる.また,図形の複雑さはフラクタル次元で評価することができる.そこで,Google Earth Proから衛星画像を取得し,衛星画像の各小領域ごとにε-ブランケット法を使って局所フラクタル次元を計算した.ついで,その平均ヒストグラムをヒストグラム交差を用いて類似度を計算し,その類似度に基づいて居住区,森林域,平坦地を分類した.その際,ブランケット数ε,小領域のサイズ,教師データ数をどのように設定するかを検討した.次に,国土地理院が提供する基盤地図情報から標高データと海岸線データを抽出し,海岸線の内側の水域を淡水域,外側の水域を海域に分類した.その際,海域の標高は0m,淡水域の標高は隣接する領域の標高データの最小値に設定した.このように衛星画像のテクスチャ解析と基盤地図情報を利用することで,土地利用分類図を作成し,既存のハザードマップと比較評価をしたところ,ある程度の有効性を示すことができた. 2.Fully Convolutional Network (FCN)による土地利用分類 土地利用分類図を作成する目的は,津波浸水予測式に必要な粗度係数を推定するためである.そこで,衛星画像のend-to-end な学習を可能にしたFully Convolutional Network (FCN) を用いて粗度係数を直接推定する方法を検討した.その結果,分類対象の特性から可視光情報と近赤外線情報の両方を考慮した推定ネットワークを構築することで,ほぼすべてのケースでテクスチャ解析に基づく方法より良好な結果が得られることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は図形の複雑さを表すフラクタル次元をもとに土地利用分類図を作成する予定であったが,別の研究テーマで使用しているFCNを利用して土地利用分類図を作成してみたところ,粗度係数の推定精度が向上する場合があることがわかた.これにより粗度係数の計算方法を再検討する必要が出たことから,進捗がやや遅れることになった.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は土地利用分類に最適なFCNを構築し,粗度係数の推定精度を向上させるための条件を明らかにする.さらに,FCNを用いた粗度係数の推定と,基盤地図情報から道路位置画像の作成および道路ネットワーク構成を同時並行して進めることとする.
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Causes of Carryover |
年度途中でFCNを利用して土地利用分類図を作成することに変更したため,どの程度の計算量がかかるかを改めて見積もりし直す必要が出てきた.このため,当初購入予定のGPU搭載PCの性能と必要台数を再検討し,次年度以降にPCの機種を選定し直すことにした.
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Research Products
(9 results)