2019 Fiscal Year Research-status Report
色収差およびカラーフィルタ絞りを利用したアオリ光学系による距離推定技術の開発
Project/Area Number |
18K11384
|
Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
池岡 宏 福山大学, 工学部, 准教授 (20579966)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | アオリ光学系 / カラーフィルタ絞り / 距離推定 / 3次元位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでイメージセンサとレンズの主面を非並行に配置し、画像中の鮮鋭度から距離推定を行う方式について研究してきた。今回、このアオリ光学系に可視光のうち緑の波長帯域のみ通過可能なカラーフィルタを使った絞りを組み込むことによって、複数開口を実現した。この複数開口を用いることにより、デモザイキングによりGチャネルで得られる画像の鮮鋭度とそれ以外のR・Bチャネルから得られる画像の鮮鋭度の比から、距離推定を行う方式の開発を試みた。この光学系では通常の開口に加え、カラーフィルタ絞りを使った通常の開口より小さな開口を持たせた。なお、カラーフィルタの位置は、通常の絞りと隣接するように配置した。カラーフィルタによる開口径として、複数のサイズを用意し、実験を行った。最終的には、通常開口のF値は5.6、カラーフィルタによる開口のF値は11として実験を行い、距離推定を行った。これにより、原理的な距離推定の可能性について確認できた。従来のアオリ光学系を用いた距離推定において、リアルタイムで距離推定を行うには2枚のイメージセンサを利用する必要があったが、今回のカラーフィルタ絞りを用いた複数開口の実現により、1枚のイメージセンサによる1回の撮影で距離推定が可能となった。これは、イメージセンサだけでなく、レンズも一式のみで済むことに加え、分光デバイスも不要となることから、非常にコンパクトな装置となる利点がある。加えて本年度は、アオリ光学系を用いた距離推定の応用について検討を進めた。具体的には、AIを用いた魚養殖システムにおける水槽中の魚の3次元位置の検出に利用することについて検討を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎的な実現可能性については確認ができたが、実際の距離推定性能の限界まで確認ができなかった。これは、先に応用すべき事案が発生し、その作業に時間を割いたためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
カラーフィルター絞りを利用した距離推定の限界性能を確認し、加えてその応用利用についても進めたい。加えて、アオリ光学系を用いた距離推定方式の応用にも力を入れる予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度は、アオリ光学系を用いた距離推定方式に関して、その応用の検討を進める案件が舞い込み、そちらに時間を割いたことが最も大きな要因である。
|
Research Products
(2 results)