2018 Fiscal Year Research-status Report
高速スマートカメラ群による三次元人体動作計測に関する研究
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18K11391
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
味八木 崇 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任准教授 (50511961)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 動作計測 / コンピュータビジョン / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、スポーツ教育やリハビリテーション等での利用を前提とした、スマートカメラ群による三次元人体動作計測プラットフォームの構築を目的としている。従来プロスポーツ向けに利用されてきた赤外線反射マーカー式のモーションキャプチャシステムは、精緻な計測が可能である反面、非常に高価であり太陽光の影響などから屋外での利用に制限があった。また、身体部位にマーカーを貼り付ける必要があることから、教育現場での利用には不向きであるという問題もあった。これに対して本手法は、高速度撮影が可能な複数のカメラと機械学習手法を利用することで安価で適用範囲の広い動作計測システムを実現し、このためのソフトウェアと運動データの解析・蓄積基盤を整備する。 今年度は、主に実験用高速撮像系の構築と統合処理についての実験を行った。撮像系であるスマートカメラを、ネットワークを介して複数台同期動作させることが可能なソフトウェア基盤の構築と、複数視点から得られた同期撮影データを利用して幾何的・時間的な制約を加えた機械学習ベースの姿勢推定手法についての検討を行った。さらに実証実験として、構築したシステムをスポーツトレーニングの現場で試用し、動作検証と今後の課題点の確認を行った。また、スポーツ教育に利用する為のビジュアルフィードバック手法についての施策と検討を行った。 このシステムによりスポーツ科学などの研究用途に限らず、将来的に広く教育用途に適用可能なモーションキャプチャ技術の実現が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に基づいて撮像系の構築と実証実験を行った。機械学習ベースの従来手法に加えて、幾何的・時間的な制約を加えることで、姿勢推定の安定化を実現できることを確認した。今後定量的な精度評価を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に撮像系基本システムの構築を行った。今後はこのシステムを利用して得られたデータの精度評価と、データ蓄積基盤を整備する。また同時に現在バッチ処理で行っている三次元復元処理部分を高速化することで、フォーム教示などの教育用途に向けたビジュアルフィードバック手段としての利用を可能にする。 これらの成果内容を論文として発表する準備を進める。
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Causes of Carryover |
構築したシステムの実証実験の結果、より詳細な精度評価が必要なことが判明した。研究の遂行上、評価結果を学会発表等の研究成果に反映するため、旅費等の使用を次年度に繰り延べた。
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