2020 Fiscal Year Research-status Report
Management for everyday items using passive RFID system
| Project/Area Number |
18K11392
|
|---|
| Research Institution | Ochanomizu University |
|---|
Principal Investigator |
椎尾 一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (90297101)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | RFIDタグ / 物探し / IoT / ユビキタスコンピューティング / スマートフォン |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、安価でメンテナンスが不要な無電池無線タグ (パッシブRFIDタグ) を、多数の日用品、家具、場所などに貼り付け、これをユーザが手にしたスマートフォンとRFIDリーダで読み取ることで、日用品の物探しを支援する手法の確立を目指している。今までの研究で、タグ間の距離関係をタグの同時読み取り回数と、スマートフォンの移動方向から推定する手法について検討し、有用性をシミュレーションで確認し、スマートフォンアプリを実装した。
当該年度に実施した研究では、普及しつつある家庭用掃除ロボットを利用してのタグ位置情報取得手法の確立を目指した。本手法は、より多くのタグを多数回読み取ることで、位置関係をより正しく推定できる。掃除ロボットは、屋内を隈なく移動するため、これにRFIDリーダを搭載して読み取りを行うことで、タグ位置関係をより正しく把握することが可能になる。そこでスマートフォンとRFIDリーダ、アンテナを掃除ロボットに搭載して、タグの位置関係を推定するシステムを試作し評価を行なった。掃除ロボットの位置推定には、スマートフォンの加速度センサ、ジャイロセンサ、方位センサを利用した。掃除ロボットの振動、モータの漏洩磁力線などの影響があるものの、掃除ロボットの動きが機械的であることから、移動方向の推定は良好であった。これと並行し、タグの同時読み取り回数からタグ位置関係を推定し、物探し支援を行う手法の実装と評価に関する研究をまとめ、論文（査読付論文誌）として発表した。
今後は、タグ間距離と方向推定の機能を実装したアプリケーションを完成させ、物探し支援システムとして完成させる予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家庭用ロボット掃除機を利用したタグ位置推定の手法を提案・試作し、その有用性を評価した。ユーザが物探しをする過程で、物の位置を自動的に取得するという本手法の特徴に加えて、掃除ロボットを利用しての位置情報取得が可能であることを示すことができた。また、タグの同時読み込みを利用して位置関係を推定し、物探し支援を行う手法に関して論文（査読付き論文誌）発表した。
|
| Strategy for Future Research Activity |
タグ間距離とタグ間方向推定の推定機構をさらに改善して、スマートフォンとサーバによる物探しシステムとして完成させる予定である。タグ間方向推定に関しては、スマートフォン内蔵方位センサ(地磁気センサ)、加速度センサ、角加速度センサに加えて、スマートフォン内蔵カメラの利用も検討し、より精度を高める手法を確立したい。また、今までの研究成果をまとめて論文として発表する準備を進めたい。
|
| Causes of Carryover |
自動掃除ロボットに手を加えず、スマートフォン搭載による実装を行なったため試作費用が軽減した。また、 新型コロナウィルスにより国内外の学会が遠隔開催になり、出張旅費が削減された。次年度は、タグ位置・方向検出手法を改善し、アプリケーションの完成度を上げ、研究成果の学会発表を行う。
|
